南斗屋のブログ

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過失割合は誰が決めるのか

2015年03月18日 | 交通事故民事
交通事故のご相談をしていますと、「過失割合は誰が決めるのですか」というご質問を受けることが多いです。

警察が決めると思っておられる方がいますが、それは間違い。
警察は、過失割合は決めません。
警察がするのは、どういう事故が起きたのかということを調べて、検察官に送る(送致)ことです。

この調べの過程で、「実況見分調書」というものを警察官が作成するのですが、これが過失割合を判断する上で重要となります。
それで、警察官が決めると思われている方が出てくるのでしょうが、警察は事実関係を調べるだけで、過失の割合なんていうものは決めません。
過失割合というのは、あくまでも民事の問題です。警察は刑事しか扱いませんから、過失割合の判断について知識も能力もありません。

それでは誰が決めるかといえば、「当事者の合意」ということになります。
加害者側に任意保険がついていれば、任意保険から過失割合はこれこれと考えるというようなことを言われ、被害者側がそれでいいかということになれば、その割合が過失割合ということになります。
しかし、往往にして過失割合の見解が異なることがあります。
このように当事者の話しがつかない場合は、調停や紛争処理センター、訴訟といった解決への途が用意されていますので、それぞれのところにいる担当者(調停委員や、斡旋担当者)が過失割合についての考え方を出し、当事者の合意を促すことになっているのです。




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