南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

成年後見監督人

2012年03月23日 | 成年後見
交通事故の被害者が遷延性意識障害などになって、意思を表明できないような場合は、損害賠償請求するために、成年後見人をつける必要が出てきます(被害者が成人の場合ですが)。

この関係でご家族の方が成年後見人となることが多いです。

ここまではよく知られているのですが、最近では「成年後見監督人」がつくケースが多くなっています。

成年後見監督人とは何かについて、最高裁のホームページでは次のように紹介しています。

Q14 後見監督とは何ですか?

A14 成年後見人等は,申立てのきっかけとなったこと(保険金受取等)だけをすればよいものではなく,後見が終了するまで,行った職務の内容(後見事務)を定期的に又は随時に家庭裁判所に報告しなければなりません。
 事案によっては,家庭裁判所が,弁護士や司法書士などの専門職を後見等監督人に選任して,監督事務を行わせる場合もあります。その場合には,後見人等は行った職務の内容(後見事務)を定期的に又は随時に後見等監督人に報告しなければなりません。


 文字どおり、成年後見人を監督するのが仕事内容ということになります。

 被害者の家族から見た場合、成年後見人となることでも負担が重いのに、さらにそれに加えて後見監督人が監督をするということは、心理的な負担が重くなります。
 後見監督人は裁判所が選ぶので、成年後見人が全く知らない弁護士がなることが多く、そのため成年後見人と後見監督人のコニュニケーションがうまくいかないといこともありえます。
 
 このような事態は被害者にとってもその家族にとってもよい事態とはいえません。
 このような事態を解決するために、成年後見人が弁護士を依頼し、その弁護士が後見監督人と折衝するという方法を取ることができます。
 
 この場合、その弁護士は、交通事故の損害賠償と成年後見実務の双方を把握している必要があります。
 しかし、残念ながら現実にはそのような弁護士は少ないと感じています。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする