南斗屋のブログ

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和解事例1595から1598まで

2020年01月22日 | 原子力損害

2019年12月26日、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)から和解事例が公表されました(和解事例1584から和解事例1598まで)。今回は、1595から1598までの和解事例を紹介いたします。
1595=居住制限区域(浪江町)の日常生活阻害慰謝料(増額分)に関するもの
1596=帰還困難区域(浪江町)交通費・宿泊費・高額家財の財物賠償に関するもの
1597=帰還困難区域(浪江町の日常生活阻害慰謝料(増額分))に関するもの
1598=避難指示解除準備区域(浪江町)の就労不能損害に関するもの

和解事例(1595)
居住制限区域(浪江町)から避難した申立人らについて、平成23年3月から平成30年2月まで家族別離が生じたことを考慮し、原発事故当時、80歳を超え難聴及び歩行困難等により、要介護1かつ身体障害等級3級の親族を介護していた申立人及び平成25年3月に出産して以降は乳幼児を連れての避難生活であった申立人に対し、それぞれの事情を踏まえ、平成23年3月分から平成30年2月分まで、日常生活阻害慰謝料(増額分)として、月額3万円(合計252万円)ずつ賠償された事例。

和解事例(1596)
帰還困難区域(浪江町)から避難した申立人について、平成30年4月から同年6月までに浪江町内において実施された行政区の会合等に出席するための交通費・宿泊費が賠償されたほか、高額家財の財物賠償がされた事例。

和解事例(1597)
帰還困難区域(浪江町)から避難した申立人らの平成29年5月分までの日常生活阻害慰謝料(増額分)について、人工肛門を造設している申立人父に月額3万円が、要介護状態にある申立人母及びその介護を行う申立人子につき、申立人母の要介護度の変化に応じ、申立人母が要介護度1又は2であった平成28年6月分まではそれぞれに月額3万円が、要介護度4となった平成28年7月分以降はそれぞれに月額10万円が賠償された事例。

和解事例(1598)
避難指示解除準備区域(浪江町)に居住し、帰還困難区域(双葉町)に所在する勤務先に勤務していたが、原発事故に伴い退職を余儀なくされ、その後就労をするに至っていない申立人の就労不能損害について、退職後の申立人の健康状態及び就職活動の状況等を考慮し、平成27年4月分から平成28年2月分まで、原発事故の影響割合を7割として賠償された事例。



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和解事例1591から1594

2020年01月20日 | 原子力損害

2019年12月26日、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)から和解事例が公表されました(和解事例1584から和解事例1598まで)。今回は、1591から1594までの和解事例を紹介いたします。
1591=帰還困難区域(浪江町)の日常生活阻害慰謝料(増額分)等に関するもの
1592=帰還困難区域(大熊町)の日常生活阻害慰謝料(増額分)等に関するもの
1593=自主的避難等対象区域(川俣町)の営業損害に関するもの
1594=茨城県内で原木しいたけの生産販売業を営んでいた者の風評被害に関するもの

和解事例(1591)
帰還困難区域(浪江町)から避難した申立人らについて、1.原発事故前は、自己所有の田畑で耕作した米及び野菜を自家用消費していたが、原発事故によって購入を余儀なくされたとして、直接請求手続による既払金とは別に49万円が、2.原発事故前は、井戸水等を利用して生活していたから水道料金の負担をしていなかったが、避難によってその負担を余儀なくされたとして、避難先での水道料金が、3.避難によって家族間の別離を余儀なくされたとして、月額3万円ないし5万円の日常生活阻害慰謝料の増額分が、それぞれ賠償された事例。

和解事例(1592)
帰還困難区域(大熊町)から避難した申立人ら家族(夫婦及び子)について、申立人子が成長障害と診断され、特殊な治療を要することとなったことを考慮し、平成29年5月から平成30年9月までの治療費及び通院慰謝料等が原発事故の影響割合を3割として賠償されたほか、申立人夫につき、家族別離を理由に日常生活阻害慰謝料(増額分)が平成23年3月分から平成26年2月分まで、月額2万円ないし5万円賠償された事例。

和解事例(1593)
自主的避難等対象区域(川俣町)において工業製品の加工等を営む申立会社について、主要な取引先が福島第一原子力発電所から一定の距離の範囲内で製造された製品の購入等を禁止する方針をとったことから、申立会社は、同範囲内に所在する複数の工場の機能を、新たに賃借し、後には購入した同範囲外に所在する第三者が所有していた工場建物に移転させたところ、劣化していた同建物の屋根や浄化槽等の補修が必要となり支出した費用につき、原発事故の影響割合等を考慮し、およそ8割の限度で賠償された事例。

和解事例(1594)
茨城県内で原木しいたけの生産販売業を営んでいた申立人らの風評被害に基づく営業損害(逸失利益)について、単に基準年度の売上高と請求年度の売上高との差額を基に算定するのではなく、原発事故当時の増産計画による売上げ増加の計画について実現の蓋然性を一部認め、その範囲の金額を基準年度の売上高に加算した金額と請求年度の実際の売上高との差額を算定し、その上で、平成30年1月分から同年12月分まで、原発事故の影響割合を8割として賠償された事例。



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和解事例1584から1590

2020年01月10日 | 原子力損害
2019年12月26日、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)から和解事例が公表されました(和解事例1584から和解事例1598まで)。今回は、1584から1590までの和解事例を紹介いたします。
1584=特定避難勧奨地点が設定されている南相馬市の地区の居住者の食費増加分に関するもの
1585=帰還困難区域(浪江町)の日常生活阻害慰謝料(増額分)に関するもの
1586=避難指示解除準備区域(南相馬市小高区)の賠償に関するもの
1587=旧緊急時避難準備区域内の特定避難勧奨地点(南相馬市原町区)における廃業損害に関するもの
1588=帰還困難区域(大熊町)に自宅を有する申立人の高額家財等に係る財物賠償に関するもの
1589=自主的避難等対象区域(福島市)の日常生活阻害慰謝料(増額分)に関するもの
1590=自主的避難等対象区域(福島市)の生活費増加費用に関するもの

和解事例(1584)
特定避難勧奨地点が設定されている南相馬市原町区片倉地区に居住する申立人らについて、原発事故前は自己所有の田畑で耕作した米及び野菜を自家用消費していたが、原発事故によって購入を余儀なくされたことを考慮し、申立人ごとに、最長で田畑の除染時期から1年後に当たる平成29年3月分まで、食費増加分(世帯人数に応じ、米につき年額4万円又は6万円、野菜につき年額8万円又は12万円)が賠償された事例。

和解事例(1585)
帰還困難区域(浪江町)から避難した申立人ら夫婦について、別々の場所への避難を余儀なくされたこと等を考慮して、平成23年4月分から平成24年8月分までの日常生活阻害慰謝料(増額分)として、夫婦それぞれに月額3万円が賠償された事例。

和解事例(1586)
避難指示解除準備区域(南相馬市小高区)から避難した申立人らについて、財物損害として、不動産、自家用車、家財道具の賠償がされたほか、住居確保損害、申立人母の就労不能損害(平成26年2月分までは原発事故前の収入の全額、同年3月分から平成27年2月分までは同収入と再就職後の中間収入との差額分。)等が賠償された事例。

和解事例(1587)
旧緊急時避難準備区域内の特定避難勧奨地点(南相馬市原町区)において飲食店を経営していた申立人らについて、原発事故による避難に伴う飲食店の廃業損害につき、事故前収入の5年分相当額から既払金(平成23年3月分から平成27年7月分までの営業損害(逸失利益)として支払われたもの)を控除した残額が賠償されたほか、財物損害(自宅兼店舗である建物及び家財道具)が賠償された事例。

和解事例(1588)
帰還困難区域(大熊町)に自宅を有する申立人の高額家財等に係る財物賠償について、申立人の陳述等を基に価格評価を行い、東京電力の直接請求手続において支払があった動産の一部(ピアノ、ひな人形等)に対して追加賠償がされ、また、同手続においては支払がなかった動産の一部(テレビ一式、薪ストーブ等)に対しても、同様に賠償がされた事例。

和解事例(1589)
自主的避難等対象区域(福島市)から避難した申立人らのうち、原発事故当時80歳台で要介護1であった申立人の平成23年3月分から同年8月分までの精神的損害(増額分)として10万円、避難先で同人の介護を余儀なくされた申立人3名の同期間の精神的損害(増額分)として主たる介護者1名につき4万円、従たる介護者2名につき各2万円が、それぞれ賠償された事

和解事例(1590)
自主的避難等対象区域(福島市)に居住し、原発事故後も避難をしなかった申立人らについて、原発事故前は自家消費用の野菜を栽培し生活していたが、原発事故後は、畑の放射性物質の汚染から野菜の栽培を断念したために負担した生活費増加費用(自家消費野菜)として、平成24年1月分から平成27年3月分まで月額6500円が賠償された事例。



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