南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

自動車保険ジャーナル1984号

2017年03月16日 | 未分類
自動車保険ジャーナル1984号から興味のあるケースを紹介します。

事例1
4億7000万円の逸失利益を請求したケースがありました。
東京地裁平成28年7月19日判決(自保ジャーナル1984号)

原告は年収3600万円で80歳(平均余命)まで就労可能であると主張した。裁判所は年収は1200万円と認定。就労可能期間も平均余命の二分の一と常識的な認定。
 この原告は会社役員で、会社は同族会社であって、役員給与は自分で決めることができる立場にあったようです。こういう場合は、会社役員報酬として3600万円を得ていた実績があったとしても、役員給与全額を基礎収入とする判断は出ません。労務対価部分しか出ないので、その辺の主張立証が大切です。

事例2
福岡高裁平成28年9月21日判決(自保ジャーナル1984号)。火災保険を請求したが、保険会社は支払いを拒否。提訴したが、裁判所は請求者が故意に放火したと認定し、保険会社側が勝訴。

つまり、民事上はお前が放火犯だといわれてしまったということになります。ただあくまでも民事なので、刑事は別。このケースも刑事では立件されてないようです。民事と刑事が異なる扱い(民事では「有罪」だが、刑事では「無罪」?)となる典型的なケースの一つです。法律を知らない方からは、分かりにくいことこの上ないですが、今の法律の仕組みですとこういうことが起こってしまいます。


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預り金を返還しない弁護士

2017年03月05日 | 法律事務所(弁護士)の経営
先週、弁護士の不祥事がまたニュースになっていました。
「金預かり音信不通の弁護士に7千万円賠償命令 東京地裁」(3月1日付産経新聞ほか)

弁護士が預かった金銭(6000万円)を返還しなかったというケースのようです。
返還をしないことが発覚したのは、平成25年なので、3年以上経過しています。
このケースではどのような事情があったのかわかりません。
それなりに、交渉を行ってきたのかもしれません(その辺は記事ではわかりません)。

一般論としては、弁護士が預り金を返還しないのは、異常なことですから、大至急対応すべきです。
預かっている弁護士が返還を拒んだら、速やかに他の弁護士に相談し、法的な手段を取らないと回収が難しくなってきます。

報道されているケースのように、相手の弁護士が出廷しない、連絡が取れないという状況ですと、その弁護士の具体的な財産状況がわかっていない限り、強制執行は難しくなってきてしまうからです。

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