(裁判の終わり方)
裁判所に裁判を起こすときは、判決をもらって黒白しっかりつけると思っている方も多いと思いますが、裁判(訴訟)の終わり方は、判決だけではなく、和解(合意)という終わり方もあります。
裁判官の多くは和解を勧めますし、依頼している弁護士も和解を勧めるでしょうから、和解で終了することの方が多いかと思います。
(期日での和解)
和解(合意)というのはどのようになるのかというと、裁判所の期日で裁判官が和解条項というものを読み上げて、当事者(代理人でもOKが原則ですが、離婚のときだけ本人出頭も必要です)がこれを確認すれば、和解が成立します。
この和解条項は、その場に立ち会った書記官が「和解調書」という裁判所の公的書面を作成し、記録に残します。
(和解条項)
和解条項というものは具体的には以下のようなものです。
原告が請求する側、被告が請求される側で、原告の請求が300万円だったが、100万円を支払うことで合意するケースを想定しています。
1 被告は、原告に対し、本件の解決金として、100万円の支払義務があることを認める。
2 被告は、原告に対し、前項の金員を、原告の銀行口座(○○銀行 ○○支店 ○○口座 口座番号:○○ 口座名義:○○)に振り込む方法により支払う。なお、振込手数料は、被告の負担とする。
3 原告は、その余の請求を放棄する。
4 原告及び被告は、原告と被告との間には、この和解条項に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。
5 訴訟費用は各自の負担とする。
(和解条項の意味)
1項と2項で支払う金額と、支払時期、振込口座などを定めています。
3項~5項は、「これ以上は原告は被告に請求しません」ということを意味する法律上の決まり文句です。それぞれに意味はちゃんとあるのですが、法律家のための言葉なので、一般的には、これ以上請求しないし、今後も請求しないという意味だと思っていただいてほぼ間違いありません。
(和解調書の交付方法)
和解調書はただ待っているだけでは、裁判所は送ってきてくれません(判決は送ってくれるのですが)。和解調書には、申請が必要です。和解期日に申請を行うのが、申請漏れ防止の点からも望ましいです。