南斗屋のブログ

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自賠の認定基準変更

2008年12月05日 | 未分類
自賠責の等級認定基準は、頻繁にではないですが、変更されることがあります。
自賠責では、事故日を基準にして認定に旧基準を使うか、新基準を使うかを決めるのですが、では裁判所はこのような場合どうするのか?という問題があります。
この点について、最近京都地裁平成20年8月12日判決が自保ジャーナル1760号に掲載されましたので、そのケースに基づいてみてみます。

このケースは、平成12年11月の交通事故で、被害者は左腓骨に偽関節が残る後遺障害を負いました。
この後遺障害は

事故時点→8級(1下肢に偽関節を残すもの)

でしたが、自賠責の等級認定基準の変更が行われ、

平成16年7月以降発生の事故→12級(長管骨に変形を残すもの)

となりました。
このような場合、自賠責では事故時点を基準に8級認定をするのですが、裁判所はどうするのかというのが問題となります。

京都地裁は「現在の認定基準」で認定すべきだとしました(このケースでは12級が認定されました)。

参考までに京都地裁の理由を以下に載せておきます。
この問題について、どう考えるべきかは、なかなか難しい問題であり、この判決は一つの裁判例として考えるべきで、この判決がスタンダードなものとなるかどうかは、今後の動きをみていく必要があると思います。

(京都地裁判決の理由)
労働能力喪失の程度を判断するために、労働能力喪失率表を参考とするにあたっては、現在の認定基準により該当すると判断される等級に基づいてこれを行うべきである。
なぜなら、後遺障害による労働能力喪失の程度を合理的に判断するには、後遺障害の実態に合致した等級に基づいてこれを行う必要があるところ、現在の認定基準は、従来の認定基準について必ずしも後遺障害の実態に合致していない点があるとして見直しが行われ、後遺障害の実態に合致した妥当な認定基準として定められたものであり、現在の認定基準に基づく等級が後遺障害の実態に合致したものといえるからである。

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