南斗屋のブログ

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高次脳機能障害2級で介護料日額1万円を認めた判決

2006年11月20日 | 高次脳機能障害
 高次脳機能障害2級で介護料日額1万円を認めた判決が自動車保険ジャーナルに掲載されていましたので、ご紹介します。

 これは、横浜地裁平成18年5月15日判決(自動車保険ジャーナル1662号2ページ)で、

被害者 交通事故当時 19歳
介護者 母親
被害者の後遺障害の内容
 高次脳機能障害2級で、性的逸脱行為、暴力、暴言等の突発的な問題行動がもっとも大きな問題とされています。
 たとえば、
 性的逸脱行為としては、
  女性に対して、キスをする、抱きつこうとする、触る、首筋、髪、耳等に息を吹きかける、手を握る、迫るというような行為があり、
 暴力については
  同じリハビリやデイサービスを受けている利用者などに対して、突き飛ばしけがをさせる、突き飛ばす、けるというような行為があり、
 暴言については、
  「じじい、死ね」「あの禿が」「知恵遅れが」等の暴言を行ったり怒鳴ったりしている
という問題行為が認められています。

 このような行為があることから、裁判所は、
  突発的な問題行動に備えて介護者が常に付き添い、適時適切に声をかけて、指示や抑制等を行う必要がある
と介護の必要性を認め、介護費用として日額1万円を認めました。

 このように、この判決は、2級という等級よりも具体的な高次脳機能障害の問題行為に着目して比較的高額な介護料を導いたといえると思います。

 





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