本日も歌舞伎座に芝居見物。「芸術祭 十月大歌舞伎」夜の部に二度目の推参。先週が 2 階席から全体を眺めたので、今回は 1 階から。お目当ては、勿論、玉三郎丈の 2 演目。
先ずは「沓手鳥孤城落月」です。玉三郎丈は更に迫力を増したようで、豊臣を思う気持ちがビンビン伝わってきます。初役ですと、流石の玉三郎丈も舞台で進化するのか。或いは、玉三郎丈以外の受け手が慣れて、芝居になってきたのか。
続いて「漢人韓文手管始」です。鴈治郎が少し抑え目にしたのか、先週よりは芝居が分りました。と言い乍ら、時折、寝落ちしていました(爆)
最後の「秋の色種」が本日の白眉でしょう。観客の観ようという「気」が歌舞伎座に充満しているのが感得されます。玉三郎丈は先週同様この世のものとは思われぬ美の世界でした。ただ、上からではなく水平レベルで拝見できるので、回っているときや崩れ落ちるように低くなるときなど、体幹がぶれないのがよく分りました。舞台の床が回っていたりせりが下がるような、と云う感じです。また、扇が水平・垂直を維持されているので、確り持っているのに違いないのに、とてもしなやかに見えます。梅枝、児太郎とは、この扇の面の水平・垂直や身体に沿わせる角度の精度が違いますね。それでいて、玉三郎丈の方が、柔らかく見えるのですから、脅威の世界です。
2 度観て良かった!
お供は、家内が Diadem でした。私の方は Ultravid 8x20 と Zeiss 4x12 の 2 台持ち(爆)
【本日の演目:夜の部】
一、沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
大阪城内奥殿
城内二の丸
城内山里糒庫階上
玉三郎丈の淀の方、七之助の豊臣秀頼。万次郎の正栄尼、彦三郎の氏家内膳で、児太郎の常盤木、亀蔵の大住与左衛門、梅枝の饗庭の局,鴈成の大蔵卿の局、松也の大野修理、米吉の千姫など。
二、漢人韓文手管始(かんじんかんもんてくだのはじまり)
唐人話
鴈治郎の十木伝七、芝翫の幸才典蔵。傾城高尾を七之助で、傾城名山を米吉。高麗蔵の相良和泉之助、亀蔵の呉才官、橘太郎の珍花慶、友右衛門の千歳屋の女房、松也の奴光平で、福之助の下役須藤丹平など。
三、秋の色種(あきのいろくさ)
女 3 人を玉三郎丈、梅枝、児太郎で。