歌舞伎座に十八世中村勘三郎 十三回忌追善「猿若祭二月大歌舞伎」夜の部に芝居見物。お目当ては勘太郎の猿若と勘九郎、長三郎父子の連獅子なのですが、芝居としては芝翫のすし屋ですね。勘太郎くん、体調不良から復活して良かった!
その勘太郎くんの猿若。(毎度のことですが)所作はよく解りませんけど、軸が確りしていて立派だと思いました。大叔父の福助、芝翫が脇を固めていましたね。福助、まだまだ不自由ではありますが、立って台詞も発して良かったです。
すし屋。少し前に仁左衛門丈で観た所為か、芝翫がイマイチ鈍いと言いますか、刺されてからの情感も余り出ていないと思いました。時蔵さんの弥助も錦之助と比べて弱いですね。やはり昼の部の立花屋おきつの様な役の女形の人だと思います。一方、梅枝のお里は情感があって良かったと思いました。ビビビビも受けるし。歌六は前回同様で流石に締めていました。又五郎、新悟も居るだけって感じ。今回のすし屋は歌六と梅枝で持っていた芝居でしょうか。
連獅子。長三郎クン、小さい身体で精いっぱい頑張っていました。ただ、未だ早かったかなぁ。ヤンヤの拍手でしたけど。勘九郎は楷書で旨いしよくフォローしていたと思います。遍念の歌昇は良いと思いましたが、蓮念の橋之助は声も通らず滑稽味にも欠けて、二人併せて今一つ盛り上がらない感じ。
それにしても今夜の歌舞伎座には酷い客が居ました。猿若でも途中でモスキート音のような電子音が数分ありましたし、蓮念・遍念の処では確り待ち受け音が 20 秒ほど流れるし。また我々の左前の男性客は通路にワインのコップを置いて係員に注意されても知らん顔、挙句に連獅子の前に椅子を壊して劇中も異音を何度か発していました。こいつら出禁だ!!
【 本日の演目 】
田中青滋 作
一、猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)
猿若 勘太郎
出雲の阿国 七之助
奉行板倉勝重 獅童
若衆方花の丞 坂東亀蔵
同 雪の丞 萬太郎
同 月の丞 種之助
同 虹の助 児太郎
同 星次郎 橋之助
同 霧弥 鶴松
福富屋万兵衛 芝翫
福富屋女房ふく 福助
二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
すし屋
いがみの権太 芝翫(仁左衛門)
弥助実は三位中将維盛 時蔵(錦之助)
お里 梅枝(壱太郎)
若葉の内侍 新悟(孝太郎)
弥左衛門女房お米 梅花(同左)
梶原平三景時 又五郎(彌十郎)
鮓屋弥左衛門 歌六(同左)
( )内は2023年6月公演の配役。
河竹黙阿弥 作
三、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精 勘九郎(菊之助、松緑、仁左衛門、猿之助、仁左衛門)
狂言師左近後に仔獅子の精 長三郎(丑之助、左近、千之助、團子、千之助)
法華の僧蓮念 橋之助(種之助、坂東亀蔵、門之助、中村福之助、錦之助)
浄土の僧遍念 歌昇(彦三郎、権十郎、又五郎、男女蔵、又五郎)
( )内は2023年9月、4月(2回)、2021年11月、2020年1月、2014年9月公演の配役。