Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

令和6年初春歌舞伎公演 新国立劇場中劇場

2024年01月17日 22時52分24秒 | 歌舞伎

新国立劇場 中劇場での令和6年初春歌舞伎公演を芝居見物。お目当ては二世吉右衛門譲りの菊之助の梶原平三で石切梶原。次に梅枝の葛の葉。それとお正月らしい勢獅子で亀三郎、丑之助、眞秀、小川大晴クンの子役競演が楽しみ。
 
花道がこれだけしかないので演出を含め大変だったと思います。
 
さて、石切梶原。菊之助は二世吉右衛門をよく研究しています。だからこそ、吉右衛門の偉大さとの違いが見えてしまいます。白頭翁には見物できないでしょうが、いつか岳父を超える演技をしてくれると信じています。六郎太夫は歌六に如かず。梢は私が見た中では最も良かったと思います(孝太郎では年増になり、米吉では小娘にしか見えません)。大庭の彦三郎、俣野の萬太郎はひと通り。

葛の葉。前半に所々寝落ちしておいて言うのも何ですが、良かったです。梅枝の後半、きつねの正体を現してからの悲哀が良く出ていますし、曲書きもお見事。

勢獅子。菊之助、彦三郎の鳶頭は手堅い踊りでした。芸者三人でも時蔵さんは流石に場面が引き締まります。子役 4 人、それぞれ可愛い。丑之助が確り稽古していると感じました。大晴クンは初舞台前ということで頑張っていましたね。梅枝がずっと視線を向け続けて心配そうに見ていたのが親らしい。逆に菊之助は余り見てなかったように思いました。しかし、菊五郎が殆ど座っているだけで、立っているときには黒子チャンが後ろから支えていて、とても心配です。舞台に出てくるだけで存在感のある役者さんだけに猶更です。

富司純子さん、寺島しのぶさん、瓔子さんがいらしてましたね。


【 本日の演目 】

一、梶原平三誉石切 (かじわらへいぞうほまれのいしきり) 一幕
鶴ヶ岡八幡社頭の場
梶原平三景時 菊之助(仁左衛門、吉右衛門、幸四郎・・現 白鴎)
大庭三郎景親 彦三郎(彌十郎、又五郎、彦三郎)
六郎太夫娘梢 梅枝(孝太郎、米吉、壱太郎)
俣野五郎景久 萬太郎(男女蔵、歌昇、錦之助)
梶原方大名  竹松(男寅、桂三、由次郎)
梶原方大名  市村 光(玉太郎、松江、同左)
梶原方大名  NA(歌之助、種之助、廣太郎)
奴菊平    NA(隼人、錦之助、高麗蔵)
青貝師六郎太夫 橘三郎(歌六、同左、錦吾)
囚人剣菱吞助 亀蔵(松之助、吉之丞、松之助
( )内は2020年10月、2019年6月、2015年4月公演の配役。但し、大名は順不同

竹田出雲=作
二、芦屋道満大内鑑 (あしやどうまんおおうちかがみ) 一幕三場
 -葛の葉-
女房葛の葉/葛の葉姫  梅枝
信田庄司  権十郎
庄司妻柵  萬次郎
安倍保名  時蔵

三、勢獅子門出初台 (きおいじしかどでのはつだい)  
鳶頭 音羽の菊五郎 菊五郎
鳶頭 鶴吉     菊之助
鳶頭 亀吉     彦三郎
芸者 お梅     梅枝
鳶頭 萬吉     萬太郎
手古舞 おゆう/若い者 勇吉 亀三郎
手古舞 おふみ/若い者 文吉 丑之助
手古舞 おひで/若い者 新吉 眞秀
手古舞 おせい/若い者 清吉 小川大晴
世話人 松島屋亀蔵 亀蔵
世話人 山崎屋権十郎 権十郎
芸者 お橘     萬次郎
芸者 お時     時蔵
2019年1月に梅玉、芝翫の鳶頭、2016 年 5 月に菊五郎、吉右衛門他の鳶頭という大ご馳走で、2014 年 8 月には十代目三津五郎さん他の鳶頭で拝見しております。