Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

小売業の通信簿

2019年10月01日 22時49分09秒 | 日記など
BtoCビジネスもやっている銀行を不良銀行員のままで退職し、本当の(!?)BtoCとしてのアパレル、インテリア、外食と廻って管理系の仕事をしております。小売業の業績を見るのに最も重要と言われるのが、売上の「既存店前年比」です。要すれば、1 年前から営業を続けている店だけの売上の増減・対比です。売上高全体の昨年対比ですと、新店をじゃんじゃん出している会社の売上は当然に増えますけど、不採算の店が増えているだけの可能性もあります。ですから、既存店昨対が「通信簿」となるのです。
ただ、これは一般論であって、「継続企業の前提に関する注記」、所謂「 GC(ゴーイングコンサーン)注記」がある会社の場合には、日銭が入ってきているかという点で、総売上の方が重要だと私は思っています。

で、とある小売業の 9 月の月次売上を見ますと、総売上も昨対 105 %と久し振りにプラスになっていて、ご同慶の至りです。
ただし、一息つけたとは言え、第 3 四半期を通してみると、店舗売上の月次昨対の単純平均は 93 %強です。(粗利率が大きく変わらない前提では)売上が▲ 7 %ダウンですと、コストカットも打止めの由ですから 3Q だけの営業利益は(赤字幅は前年同期に比べて縮小しているものの)▲ 2 ケタ億円にならない程度の営業損失(≒キャッシュアウト)でしょうか。(来月上中旬の決算発表で判明しますが)以上の試算が正しいとすれば 3Q 累計で営業損失 ▲ 30 億円超えになりますから、長くなったとは言え残りの期間で(業績予想で公表している)通期プラスに持っていくのは、相当にチャレンジングな仕事だと思います。苦難に立ち向かう CFO に敬意を表しますし、彼と仲間を応援します。