Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

コシナ Heliar Classic 75mm F1.8 インプレッション

2012年08月20日 00時12分53秒 | Leica Digital 関連
8/11、12 は土日共に休みが取れ、土曜は東京湾大華火祭、日曜は近所で撮影が出来ました。ポジも上がってきましたので、コシナ Heliar Classic 75mm F1.8 のインプレッションを記します(未だ使用して一週間少しですが、悪しからず)。良いスキャナがないので、ポジの絵はありません。この2本のレンズの差、一番大きいのはコントラストの差ですが、デジタルでは嫌なフレアに感じるヘクトールも、ポジでは柔らか味として感じられる、と言うイメージです(レンズ最後面にコーティングの無いことの影響は、CCD に対して大きいのでしょう)。ただ、ヘリアも硬くなくて良いレンズだと思います。ポジで F4 ~ F5.6 くらいに絞りますと、どちらで撮ったか直ぐには判らない程に似ています。なお、後ボケはヘリアの方が少し穏やかだと思います。

さて、土曜の花火では、計算上 50mm ~ 75mm の画角が適していましたので、本レンズとズミクロン50mm( 11826 )を持参しました。両者甲乙つけ難いシャープさだと感じました。
日曜は、夕方でしたので、開けたり絞ったりして楽しみました。開放でも中心部は十分シャープですし、ピントの合ったところからフワーッと素直にボケていく処が良いと思います。絞れば周辺の解像度は確かに向上しますが、絞りは被写界深度のコントロールの為だけに使える程の高いレベルにあると思います。前後のボケ味も自然で扱いやすいでしょう。
外観では、距離環に本家が止めてしまったローレット加工を施していて、しかも、所謂 「逆ローレット(山ギザ)」 にしている点が渋いです。機能面では、距離環の動きもスムースで、絞りのクリック感も過不足ありません。全体として、今出来のライカ純正レンズより高級感があると思います。昔のテレ・エルマリート 90mm F2.8 ( Fat )、ズミクロン 90mm 初代などを思い起こさせますね。

では、ほぼ同画角のヘクトール 73mm との比較です。ボディは M9-P です。

①作例の最初は 1.5m(ヘクトールの最短)で撮ったラフロイグのラベルの一部です( full-resolution です)。ピンが甘いかも(自爆)

ヘリア開放        ヘクトール開放
   

ヘリア F5.6       ヘクトール F5.6
   

コントラストと解像力の違いは歴然としています。中心部なので、絞ってもヘリアでは画質の向上はないのに対し、ヘクトールの絞り込みの効果は明らかです。

②同じく 1.5m で撮った「民家の庭の花(?)」です。

ヘリア開放        ヘクトール開放
  

ヘリア F4.0       ヘクトール F4.0
  

ヘリア F11        ヘクトール F11
  

ヘクトールには F4.0 でも「グルグル」が感じられます。ただ、フィルムですと、この柔らかさと立体感は癖になります(笑)

③ヘリアは 90㎝ まで寄れますので、その開放。1.5m との差は大きいですね。やはり、寄れるレンズは強い。なら、一眼レフを使えよ、と言われそうですが(自爆)




75mm 枠は M4-P 以降にファインダーに加わりましたが、4 隅だけなのでフレーミングはアバウトも良い処です。そんな継子扱いを受けながらも、ライカ用の 75mm 級は、本レンズもそうですが、純正でもバルナック時代のヘクトール、フード分離型のズミルックス、現行アポ・ズミクロンと銘玉揃い・・・後二者は使ったことはありませんけど。いえ、私はヘクトールと本レンズで 75mm は打ち止めにしますよ、勿論。ただ、本レンズについて、最短が 90cm でなく 70cm なら良かったのに、と思わないでもありません。えー、少なくとも一年間は今の 2 本で行ける自信はあります (^^ゞ