リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~やっぱりペア感染/楽しみは食べること

2023年04月08日 | 日々の風の吹くまま
4月7日(金曜日)。(アントワープ)☁⛅。朝、アントワープ到着。ベルギーきっての港があるところ。カレシは咳がまばらになって、おでこを触ってみたらもともとそれほどには高くなかった熱もほぼ下がった感じだし、節々の痛みや吐き気もなくなったそうで、「腹が減った」というところを見ると回復基調というところかな。朝ご飯は軽くジュース、オートミール、クロワッサン、コーヒー。周りに誰もいない部屋で差し向かいの2人だけの朝ご飯は、ロマンチックと言うにはほど遠いけど、カレシが食欲もりもりなのいいね。
電話が鳴って、船室担当マネジャーのミハイが「奥さんも検査していいですか」。陰性だったら陽性のカレシと一緒にしておけないということかな。もちろん、オッケー。ミハイがすぐに抗原検査のキットを持って来て、綿棒で鼻をぐりぐり。うへ、くしゃみが出そう。風邪をひいたときに家でやったように、検体の液を3滴。赤い色の広がり具合からして、やばいねえと、見ていたら、あ、2本の線が出ちゃった。ほんとに救急センターのドクターが言った通り「陽性」。もっとも、鼻水もくしゃみもほぼ止まって、今は無症状のようなもの。カナダの統計局が無作為に抽出した全国10万人を対象にコロナの抗体検査をしたところ、統計的にカナダの成人の98%が去年の夏までにコロナの抗体を持っていて、そのうちの54%が感染したウィルスによる抗体を持っていたそうで、感染したことをまったく知らないでいた人は42%。実際のところ、そういう人たちのどれだけと道路ですれ違ったか知る由もないし、ワクチンを5回接種した私たちでも、防衛線をかいくぐる(賢い?ラッキーな?)ウィルスに出会ったらお手上げってことかな。



丸々1日一歩も部屋の外に出ずに、カレシは携帯、ワタシはラップトップを睨んで過ごしていたら、何だか日常の毎日と変わらないんじゃないかと言う気がして来たからおもしろい。違うところは、ご飯の支度をしなくてもいいってことくらいかな。朝ご飯は夜のうちにリストをドアの外の取っ手にかけて置けば、指定した時間に来るから、特に早起きしなくてもいいし、ランチと晩ご飯はフロントのヴァネッサがレストランのその日のメニューを持って来てくれるので、前菜、スープ、メイン、デザート、コーヒーと選んで丸で囲んで、選んだよぉと電話すれば飛んで来てくれて、1枚のトレイに載せきれないときは2回、3回に分けて運んで来てくれる。重いから部屋の中まで運ぶよと言ってくれるけど、ここは一応「隔離病室」なので遠慮。ほんと、みんなにこにこしていて、半分はマスクもなしで、至れり尽くせり。おかげで、おなかの周りがなぁ~んとなくぷくっとして来たような感じがしないでもない。もしかしたら、これまでで最高のバケーションのひとつになったりしてね。塞翁が馬と言うのか、何と言うのか・・・。

ランチ


午後早くにアントワープを出て、ブリュッセルへ。リバークルーズは河畔の風景も興味深いけど、すれ違う艀やボートを見るのもおもしろい。何となく屈伸運動をしながら外を見ていたら、艀の操縦室の後ろにわ犬がいたので、カメラをつかんだら、目が合ってパチリ。晩ご飯が近づく午後、フロントのヴァネッサが、明日ブリュッセルで下船する一行(あの11人組かな)がいるので、船長主催の特別ディナーがあると言って、いつもより長いメニューを持って来た。前菜のサラダとスープの次に「口直し」が入っていて、メインの後はAvalonの「看板デザート」。ヴァネッサが取りに来るまで、カレシと、どれにする?どれがいい?と思案投げ首。最後的に、グリル野菜のサラダ、トリュフ風味のかぼちゃのスープ、「口直し」はカレシがアスパラガスのグリル、ワタシはロブスターのしっぽ。メインはカレシがシーザーサラダの大盛り、ワタシはマトウダイで、看板デザートとコーヒー。ヴァネッサがワインはどうかと聞くので、う~ん、カレシはまだ早いかもしれないから、今夜はスキップ。「明日はワインを飲めるといいですね」と言って、ヴァネッサは丸の一杯ついたメニューを持って行った。おいしいものが何よりだもんね。





旅の空から~災難は予告なしにやって来る(その後)

2023年04月08日 | 日々の風の吹くまま
4月6日(木曜日)。(リエージュ)。船に乗ったら、船室に直行して、カレシをベッドに入らせ、ワタシは病院でもらった書類を持ってロビーへ。クルーズディレクターのタマシュがちょうど戻ってきたところで、マスクをしているワタシを見て、やばいっという表情。周りにツアーから帰って来た人たちがたくさんいるので、黙ってデスクに「陽性証明」を置いたら、一目見て小声で「S…t」。デスクの下から分厚いバインダーを出して、「この場合のプロトコルは」とページをぱらぱら。そうそう、それを聞きたいからここにいるの。

Avalonのコロナ対応策としては、オプションその1は、すぐ帰国できるように最短ルートでのフライトを手配。この費用はAvalonが負担。オプションその2は、自主隔離すること。食事や必需品は「9」を押してフロントに電話すれば部屋まで届ける。船内のレストランやラウンジには入れないけど、みんながツアーに出た後など人けの少ない時は、マスクをして船外に出て運動したり、近ければ街中に出かけるのはOK。なるほど。自主隔離は大体何日くらいか聞いたら、「4日目か5日目から抗原検査をして、2日連続で陰性になったら隔離を解除」。ふむ、Avalon持ちの帰国便ならエコノミーだろうし、カレシは直行でも9時間以上かかるフライトに耐えられる体調じゃないので、うん、オプション2の一択だな。クルーズはあと10日あって、ドクターが終わる前には回復しているよと一定の蓼、それで決まりと言うことで、処方箋を見せて、英語の通じる薬局が見つかるかどうか聞いたら、タマシュが「あ、明日僕が街に出たときに買って来ますよ」。うわ、大助かり。「正直に報告してもらってこちらが大助かりですよ」。へえ、内緒にする人もいるんだ。せっかく楽しみにしていたバケーションなのにどこにも行けないなんて嫌だということかな。でも、そんなことをしたら、集団感染になって、全員のバケーションがキャンセルになってしまいかねないけど、いいのかな。恨まれるよ。

部屋に戻ったら、カレシは何事もなかったかのようにすやすや。大騒ぎの半分は体調の崩れを感じて不安症が起き、それがストレスになってパニック状態になったことに起因していそうだから、コロナそのものはごく軽いんだと思う。救急センターのドクターが「ずっと一緒にいたんだからあなたも多分陽性だよ」と言ったけど、ワタシはちょっと鼻水が出ていた程度でいたって元気なんだもの。陽性でも陰性でも一緒に隔離生活になるのは同じだから、どっちでもいいんだけどね。フロントのヴァネッサが今夜の夕食メニューを持って来て「ご注文は」。カレシは食べそうにないから、私の分だけサラダ、コンソメ、スズキのグリル、チョコレートこってりのラバケーキのフルコースを注文。しばらくして来たのは大きなトレイいっぱいのちょっと豪華な晩ご飯。ひとりで食べて、ひと仕事して、じゃ、おやすみなさい。思いがけない冒険になっちゃったけど、明日はまた新しい明日・・・。



旅の空から~災難は予告なしにやって来る

2023年04月08日 | 日々の風の吹くまま
4月6日(木曜日)。(ユイ)。☁🌧。天気は下り坂。船はゆうべからリエージュの郊外のユイと言う小さな町に停泊。ツアーのグループを送り出してから、昼過ぎにリエージュに移動して、夕方にグループと合流してから次のアントワープに向かう予定。私たちは植物園の薬草園を見学してから、旧市街のウォーキングツアーということになっていたんだけど、カレシが「調子が良くないから、一人で行って来いよ」。寒い中でのウォーキングツアーが続いたし、夜の間ずいぶん咳をしていて、あまり寝ていないから疲れているのかな。バケーションなんだから、のんびり昼寝をしていればいいよね。

そういいながら、ワタシはツアーに出かける準備をしていたら、トイレに言ってベッドに戻ろうとしたカレシが仰向けに倒れて唸りだしたのでびっくり仰天。駆けつけてみたら、仰向けのまま突然吐いたようで、声をかけても反応が鈍い。このままでは窒息してしまうと、とにかく何とか抱き起したけど、吐くのが止まらない。タオルを持って来てそれに吐かせたけど間に合わなくて、バスタオルにげえげえ。廊下にハウスキーピング担当のトリーがいたので、これこれの事情でベッドもタオルも汚しちゃったので、申し訳ないけど取り替えてとお願いして、カレシをベッドから降ろしてソファに座らせて、ビニール袋か何かないかしらと言ったら、トリーが出て行ってフロントデスクのヴァネッサを連れて来て、状況をさっと見たヴァネッサが出て行って、次にクルーズディレクターのタマシュから電話。事情を説明したら、「医者を呼びますか」。うん、本人はまた心臓発作じゃないかとパニックになっているから、そうして。少しして、またタマシュが電話して来て、「1時間で船が出るので、医者よりも救急車を呼びます。搬送することになった場合に、リエージュでの船の接岸場所や連絡先をあげます。パスポートと携帯を用意していてください」。了解。ヴァネッサが大きな紙袋を持って来てくれて、ごみ箱の中に広げてくれたので、カレシはごみ箱を抱えてげえげ。何だか大ごとになって来たな。

救急車が来たのは15分ほどしてからで、英語を話せる救急隊員がカレシにいろいろ質問。カレシは「何の前触れもなかったから、パニックになって」。もう1人が血圧や血中酸素を測って数値を読み上げたのをゴム手袋に書き込んで、「それほど悪い数字ではないけど、一応病院でさらに検査をした方がいいですね」。うは、ほんとに大ごとになってきた。急いでパスポートを入れてあるバッグに2人の携帯とホットスポットをぶち込んで、カレシのジャケットを持って、はい。カレシは何とか立ち上がって、そろりそろりと階段を降りて、船の外に止めてあった救急車へ。ワタシはタマシュから電話番号やリエージュの停泊場所(停泊時間午後5時~6時半)と念のため次のアントワープの停泊場所の住所を書いたメモをもらって、救急車の助手席に乗って、サイレンを鳴らして病院へ。救急センターの静かなことにまずびっくり。カレシのパスポートを出してチェックインしたら、ワタシは待合室で呼ぶまで待つように言われて、周りを見たらほとんどがマスクをしているし、経験上、病院はウィルスを拾う危険性が一番高いところだから、ワタシもマスク。



しばらくして呼ばれたので、カレシのいる診察室へ。ああ、モニターのワイヤをつけられてる。開口一番に「心臓じゃないって」。ああ、よかった。「でもコロナの可能性があるって言ってた」。ええ?それでも、心臓に異常がないのは何より。後は帰っていいよといわれるのを待つばかりかな。もっとも、船がリエージュに着くのは5時だから、早く行ってもしょうがない。周りに危機感がないこともあってか、カレシが昼寝を始めたので、携帯でいろいろとググっていたら、コロナの初期症状の中に急激な嘔吐と冷や汗があって、ふむ。ユイからリエージュまでは車で30分ぐらい。ふむ。しばらくして目を覚ましたカレシが「トイレに行きたい」と言うので、廊下に出てナースステーションで、カレシのいる部屋を指さしてトイレ、トイレ。奥の方にいた人が「トワレ、トワレ」。そうなんだ、ここはフランス語圏。昔かじったフランス語の記憶を辿って、モン・マリ、トワレ。元気のいい看護師さんがウィ、ウィ。すぐに行って、カレシのワイヤを外してくれて、ベッドから降ろして、廊下で少し先のWCと書いてあるドアを指して「ラバ」。おお、メルシ・ボクゥ。

そろそろ4時と言う頃に、(英語が達者な)ドクターが来て、「コロナ陽性。今どきはウィルスはそこら中にいて、風邪みたいに気を付けていてもかかるときはかかるんだよ。もう怖いものじゃないから、船に帰るのが一番。ただし、悪くなったら救急車を呼んでもらいなさい」。ああ、よかった。早速カレシに服を着せて、メルシとサンキューを連発しながら、待合室に出て、受付のお姉さんにクレジットカードを見せて、支払いの意思表示をしたら、「ノー・ペイ」。え、払わなくていいの?ノー・ペイ?払わなくていいって言ってるんだから、そこは深追いしないで、リエージュまでタクシーがいると言ったら、すぐに電話で呼んでくれて、「もうすぐタクシーが来るわよ」。外の駐車場の方を眺めていたら、5分ほどで到着。運転手の若いお兄ちゃんは英語が苦手のようだったけど、GPSにアドレスを入れて、「オッケー」。どこかと話して、「75ユーロ」と書いた紙きれを見せたので、前払いなのかなと思って、100ユーロあげたら、財布を出してお釣りをくれるそぶり。いいの、いいの、キープ、キープ。メルシ、メルシ。と言うことで、一路リエージュへまっしぐら。午後のラッシュでところどころ渋滞していて、目的の場所に着いたのは5時ちょっと前。タクシーのメーターは85ユーロ。ちょっと離れた川べりに船が見えたので、そばまで行って接岸作業が終わるのを待って乗船。長い1日だったな。