リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~災難は予告なしにやって来る

2023年04月08日 | 日々の風の吹くまま
4月6日(木曜日)。(ユイ)。☁🌧。天気は下り坂。船はゆうべからリエージュの郊外のユイと言う小さな町に停泊。ツアーのグループを送り出してから、昼過ぎにリエージュに移動して、夕方にグループと合流してから次のアントワープに向かう予定。私たちは植物園の薬草園を見学してから、旧市街のウォーキングツアーということになっていたんだけど、カレシが「調子が良くないから、一人で行って来いよ」。寒い中でのウォーキングツアーが続いたし、夜の間ずいぶん咳をしていて、あまり寝ていないから疲れているのかな。バケーションなんだから、のんびり昼寝をしていればいいよね。

そういいながら、ワタシはツアーに出かける準備をしていたら、トイレに言ってベッドに戻ろうとしたカレシが仰向けに倒れて唸りだしたのでびっくり仰天。駆けつけてみたら、仰向けのまま突然吐いたようで、声をかけても反応が鈍い。このままでは窒息してしまうと、とにかく何とか抱き起したけど、吐くのが止まらない。タオルを持って来てそれに吐かせたけど間に合わなくて、バスタオルにげえげえ。廊下にハウスキーピング担当のトリーがいたので、これこれの事情でベッドもタオルも汚しちゃったので、申し訳ないけど取り替えてとお願いして、カレシをベッドから降ろしてソファに座らせて、ビニール袋か何かないかしらと言ったら、トリーが出て行ってフロントデスクのヴァネッサを連れて来て、状況をさっと見たヴァネッサが出て行って、次にクルーズディレクターのタマシュから電話。事情を説明したら、「医者を呼びますか」。うん、本人はまた心臓発作じゃないかとパニックになっているから、そうして。少しして、またタマシュが電話して来て、「1時間で船が出るので、医者よりも救急車を呼びます。搬送することになった場合に、リエージュでの船の接岸場所や連絡先をあげます。パスポートと携帯を用意していてください」。了解。ヴァネッサが大きな紙袋を持って来てくれて、ごみ箱の中に広げてくれたので、カレシはごみ箱を抱えてげえげ。何だか大ごとになって来たな。

救急車が来たのは15分ほどしてからで、英語を話せる救急隊員がカレシにいろいろ質問。カレシは「何の前触れもなかったから、パニックになって」。もう1人が血圧や血中酸素を測って数値を読み上げたのをゴム手袋に書き込んで、「それほど悪い数字ではないけど、一応病院でさらに検査をした方がいいですね」。うは、ほんとに大ごとになってきた。急いでパスポートを入れてあるバッグに2人の携帯とホットスポットをぶち込んで、カレシのジャケットを持って、はい。カレシは何とか立ち上がって、そろりそろりと階段を降りて、船の外に止めてあった救急車へ。ワタシはタマシュから電話番号やリエージュの停泊場所(停泊時間午後5時~6時半)と念のため次のアントワープの停泊場所の住所を書いたメモをもらって、救急車の助手席に乗って、サイレンを鳴らして病院へ。救急センターの静かなことにまずびっくり。カレシのパスポートを出してチェックインしたら、ワタシは待合室で呼ぶまで待つように言われて、周りを見たらほとんどがマスクをしているし、経験上、病院はウィルスを拾う危険性が一番高いところだから、ワタシもマスク。



しばらくして呼ばれたので、カレシのいる診察室へ。ああ、モニターのワイヤをつけられてる。開口一番に「心臓じゃないって」。ああ、よかった。「でもコロナの可能性があるって言ってた」。ええ?それでも、心臓に異常がないのは何より。後は帰っていいよといわれるのを待つばかりかな。もっとも、船がリエージュに着くのは5時だから、早く行ってもしょうがない。周りに危機感がないこともあってか、カレシが昼寝を始めたので、携帯でいろいろとググっていたら、コロナの初期症状の中に急激な嘔吐と冷や汗があって、ふむ。ユイからリエージュまでは車で30分ぐらい。ふむ。しばらくして目を覚ましたカレシが「トイレに行きたい」と言うので、廊下に出てナースステーションで、カレシのいる部屋を指さしてトイレ、トイレ。奥の方にいた人が「トワレ、トワレ」。そうなんだ、ここはフランス語圏。昔かじったフランス語の記憶を辿って、モン・マリ、トワレ。元気のいい看護師さんがウィ、ウィ。すぐに行って、カレシのワイヤを外してくれて、ベッドから降ろして、廊下で少し先のWCと書いてあるドアを指して「ラバ」。おお、メルシ・ボクゥ。

そろそろ4時と言う頃に、(英語が達者な)ドクターが来て、「コロナ陽性。今どきはウィルスはそこら中にいて、風邪みたいに気を付けていてもかかるときはかかるんだよ。もう怖いものじゃないから、船に帰るのが一番。ただし、悪くなったら救急車を呼んでもらいなさい」。ああ、よかった。早速カレシに服を着せて、メルシとサンキューを連発しながら、待合室に出て、受付のお姉さんにクレジットカードを見せて、支払いの意思表示をしたら、「ノー・ペイ」。え、払わなくていいの?ノー・ペイ?払わなくていいって言ってるんだから、そこは深追いしないで、リエージュまでタクシーがいると言ったら、すぐに電話で呼んでくれて、「もうすぐタクシーが来るわよ」。外の駐車場の方を眺めていたら、5分ほどで到着。運転手の若いお兄ちゃんは英語が苦手のようだったけど、GPSにアドレスを入れて、「オッケー」。どこかと話して、「75ユーロ」と書いた紙きれを見せたので、前払いなのかなと思って、100ユーロあげたら、財布を出してお釣りをくれるそぶり。いいの、いいの、キープ、キープ。メルシ、メルシ。と言うことで、一路リエージュへまっしぐら。午後のラッシュでところどころ渋滞していて、目的の場所に着いたのは5時ちょっと前。タクシーのメーターは85ユーロ。ちょっと離れた川べりに船が見えたので、そばまで行って接岸作業が終わるのを待って乗船。長い1日だったな。



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