リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

賃上げ交渉の行方はインフレの行方しだい

2022年09月03日 | 日々の風の吹くまま
9月2日(金曜日)。☀。暑くなるはずだけど、そんな感じがしない。空は上の方は青いけど、地平線に近いところは何となく薄汚れた感じのかすみ。大気の健康への影響を示すAQHIは中リスクの「4」。ずぅ~っと雨らしい雨が降っていないし、風らしい風もあまり吹いていなかったから、汚れた空気が停滞しているってことか。でも、あしたから予想最高気温がぐんと下がって21度とか22度で、日曜日は降水確率が80%だそうだから、乞うご期待。

夏休み最後の三連休で、どこかに遊びに行く最後のチャンス。普通なら需要増を見越してガソリン代がポンと上がるんだけど、今年はなぜか値下がりして、今日はリットル185円で3月以来の安さ。原油市場の値下がりが大きな理由らしいけど、春からの値上がりが異様で、石油会社が濡れ手で粟でウハウハなのがわかって、消費者はご立腹だから、あからさまな値上げはしにくいかもしれないな。ガソリンの価格が下がったおかげで、6月には8.1%だったカナダのインフレは7月には7.6%になったけど、コア指数はまだ上がっているそうで、中央銀行は来週にもまたかなり大きな利上げに踏み切るらしい。極端な人手不足で賃金が上がっている間はインフレ圧力は強まっても弱まることはなさそうな気はするけど、年末には落ち着いて来ると言う観測もある。

今年はBC州の政府や公的機関の労働組合が軒並み労働協約の改定時期にあって、どこもインフレに見合った賃金引き上げを要求しているから、インフレの動向によってはストで大荒れの年になりかねない。すでに政府職員を始めとする公共セクターの労働者3万人を抱えるBCGEUは酒類の流通拠点を狙い撃ちしたストに入って、コロナに痛めつけられたホスピタリティ産業にダブルパンチを浴びせたけど、「進展があった」と言ってピケを解除。政府は3年間で約11%のベースアップに1人25万円のボーナスという回答を出していたそうだけど、同じように政府と賃上げ交渉をしていた医療従事者の組合が暫定的な妥結にこぎつけたそうなので、もしかしたらマッチングを要求するつもりかな。交渉については報道管制が敷かれていて知る由もないから、あくまでも素人の勝手な推測だけど、組合が交渉やストが長引いている間にインフレが鎮静化し始める可能性を読んで、強気で交渉できるうちに妥結を計ろうとしていると考えられないこともないな。

先に州の財務大臣が予算の黒字が1300億円もあったと発表したところ、会計監査院の長官が記者会見で政府の会計処理の問題点を指摘して、実際の黒字はその数倍の6500億円ぐらいのはずだと言ったもので、組合は「なんだ、賃上げする金があるじゃないか」、政府は「まあ、ちょっと財布のひもを緩めてもいいかな」ということになったのかもしれない。うがった見方をするなら、政府の財政が大幅な黒字だとわかれば、公共セクターの組合は大幅賃上げ、州民は減税や諸々の福祉給付の増額を要求するのは自明の理だから、公共セクターが軒並み労働協約の改定交渉に入っている今は、政府としてはあまり話題にしてほしくないことじゃないのかな。私たちが揃って公務員だった2桁インフレ後の大不況のさ中の40年前、今のBCGEUの前身である州政府職員組合の委員長が政府の提示を蹴ったときに引用したのが「You pay peanuts, you get monkeys」(ピーナッツじゃあ寄って来るのは猿だけ)という諺。ピーナッツは俗語で「取るに足らないもの」という意味なので、まともな賃金を払わなければまともな人材は集まらないということなんだけど、あの時はストをしてどれだけの賃上げを獲得したのか、ワタシはストの最中に転職先を決めてしまったので、転職先の給料の方が多かったと言う以外はまったく記憶にない。今年はいつもストも辞さない強硬派の教職員組合も賃上げ交渉の真っ最中だし、はて、どうなることやら・・・。