リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

心臓手術から24時間・・・

2017年12月06日 | 日々の風の吹くまま
12月5日(火曜日)。朝10時にカレシから「おはよう電話」。まだ少ししゃがれ声だけど、元
気jsよさそう。執刀医の先生が来て「こんなにすんなり行くケースはめったにないよ」と言っ
たとか。どうやら今日中に集中治療室を出られるようで、これで一番大きな山を越えたとい
うことろ。この分なら標準日数(5日)で退院できると想定して、昼前にエコーをトヨタのディー
ラーに持って行った。そろそろ定期の点検整備の時期だという葉書が来ていたし、これから
数週間は車を使わなさそうなので、バッテリをしっかり充電してもらっておこうと、予約を取ら
ずに行って、金曜日の午後まででいいので空いている時にお願い・・・。

何とも形容しがたいランチを食べて、そう言えば1週間経ったと思い当たって、ダスターと箒
を持ち出して掃除。ひとりだけだし、日中ほとんどいないので埃はあまりないけど、あちこち
に室内植物の枯葉や萎れた花。まとめたごみを掃除機で吸い取っていたら、またカレシか
ら電話。おおっ、元気いっぱいの声だっ。今日の3時半過ぎには病室に入ることになったの
で、「ラップトップとマウスとヘッドフォン、持って来て」。おいおい。んっとにもう、きのう心臓
手術をしたばっかりの患者が何言ってんだか。明日にしなさいよ、明日に。

でもまあ退屈するのも辛いだろうと思って、ヘッドフォンを持って、向かいのLondon Drugs
でAM/FMのポケットラジオと電池を買って、珍しく定刻に来たバスで病院へ。ナースステー
ションで教えられた部屋に入ったら、うはあ、個室。普通の4人部屋に空きベッドがなかった
からだそうだけど、ずっと静かだから今夜はよく眠れそうだね。体中に何本もチューブやモ
ニターのワイヤが付いていて、何だか蜘蛛の巣にかかった虫みたい。これじゃあラップトッ
プなんか使えるわけないじゃんと、買って来たラジオにさっそく電池を入れて、LG104.3に
セット。個室なので音量を低めにしておけばヘッドフォンは不要。

それにしても、ワタシが子宮と卵巣の全摘手術をしたときもそうだったけど、カレシは74歳
だってのに、午後に胸骨を切り開いての心臓手術をした翌朝に椅子に座らせて自分で食事
をさせて、24時間後には病室に移して、順調なら5日後には退院して後は自宅療養という
スケジュールはすごいなあ。でも、手術前よりも一段といい男になって見えて、惚れ直しちゃ
うなあ。うん、元気なカレシは最高にうれしいクリスマスプレゼント・・・。
   

いずれは夫婦のどちらかに訪れる「その日」

2017年12月06日 | 日々の風の吹くまま
12月5日(火曜日)。晴れ。すばらしい日の出。まぶしい朝日の光の中で思いっきり深呼吸
をしたら元気がもりもり。夜中過ぎに寝付けないでいたら電話。すわ急変!と飛び起きて受
話器をつかんだら、きれいな声の看護師さんが「すべて順調ですよ。奥さんの声を聞きたい
そうなので代わりますね」と言って、カレシがしゃがれ声で「愛してるよ」。うん、愛してるよ。
手術がうまく行ってうれしい。ワタシにも最高のクリスマスプレゼントだね。「起こしちゃったら
ごめんな」。いいの、いいの。声が聞けてうれしいもの。「カエルを呑み込んだみたいな声だ
ろ」。うん、6匹ぐらい・・・。

短い会話だったけど、どっと来た安心と興奮がごちゃまぜになって、何度も目が覚めてぐっ
すり眠れなかった。面会できるのは集中治療室を出て病室に入ってから。今日の午後かな。
手術を待っている間の1週間、朝から病院に行って、ほぼ1日病室であれやこれやと話をす
る毎日で、元々けっこう会話の多い私たちだけど、かなり精神的に深いことをこれだけの濃
さで話し合ったのは初めてかもしれないな。カレシも今までになかったくらいすごく真剣にワ
タシの話を聞いてくれていたみたいだし、これも「災いを転じて福となす」のひとつなのかも。

ワタシにとって一番の難関は急な「ひとり暮らし」。ひとりだけの食事を作るのって、ほんとに
つまらなくてめんどくさい。いきおい温めるだけのものを買って来て済ませるわけだけど、さ
しておいしくないし、ひとりで食べるのもつまらないので5分で終わり。いつもの就寝時間に
なって、ベッドにもぐり込んでも、隣にカレシがいないので落ち着かなくて寝付けない。でも、
カレシの枕を抱いていたら気持が落ち着いて眠りに落ちることができたから不思議。カレシ
とは夫婦として42年一緒で、特にこの17年はほぼ24時間べったりだったので、ワタシの
日常の意識圏でいつもカレシの「存在」を認識していた部分にいきなり空白ができて乱気流
が生じているのかもしれない。

一緒にいる限りいずれは否応なしに夫婦のどちらかに「ひとり暮らし」がやって来るわけだ
けど、もしかしたら、今こうしてその予行演習みたいなことをしているのは、いつ来るかわか
らない「そのとき」のために少しでも心の準備をしておけるようにと神様が配慮してくれたの
かな。うん、「そのとき」が来るのをどこまで先延ばしできるかは、これからの私たち次第って
ことだね。