決勝進出をかけた大一番だ。
スコットランドはアイルランドに惨敗したが、ロシア、サモアに完封勝利しており、その実力は計り兼ねない。アイルランドを破り、ここまで全勝の日本は、負けても7点差以内なら、決勝進出が決まる。断然有利の状況だが、もし惨敗して予選敗退となれば、本当にがっかりしてしまう。そういう意味では、日本の実力も計り兼ねていた。台風19号の影響で、中止も取り沙汰されていた。中止なら、まさに神風だ。それを期待していたが、当日は台風一過の晴天になり、試合は予定通り開催されることになった。
開始早々、トライを決められ、嫌な雰囲気になった。しかし、ここから怒涛の攻撃。3トライを決め、21-7で前半を終えた。後半開始直後にもトライを決め、28-7。ボーナスポイントもついて、完全に楽勝ムードだ。
ところが、死んだはずのスコットランドが意地の反撃、わずかの間に2トライを取られ、28-21にまで追い上げられてしまった。スコットランドが勝つには、さらに2トライと1PGが必要で、残り時間25分ではどう考えても不可能だ。絶望的な点差でも決して諦めないスコットランドのラグビーに密かに感動していた。このあとの25分間は壮絶だった。1点も入らなかったが、まさに死力を尽くした攻防で、本当に見応えがあった。
日本は全勝で予選突破、初のベスト8進出を果たした。相手は因縁の南アフリカ。事前のテストマッチでは惨敗しているが、今は日本の力を信じている。
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