「関電トンネルトロリーバス」の名前も今年から「関電トンネル電気バス」に変わっていた。
黒部ダムからバス乗り場に向かう道は長いトンネルで、しかもかなり昇っている。最後の階段のところで足が攣りそうになった。そんなに歩いた気もしなかったが、万歩計を見るとそれなりに歩いていた。
足を引きずりながらバスに乗り込んだが、座れる席はなく、麓の扇沢までの16分間は随分長く感じた。
途中、破砕帯があった場所が青くライトアップされていた。黒部ダム建設における最大の難所で、わずか80mの破砕帯を突破するのに7ヶ月を要した場所である。感傷に浸る間もなく、あっという間に通り過ぎ、15時21分に終点の扇沢に到着した。平湯温泉行きの高速バスの発車まで45分待ちである。高速バスに乗り遅れると後がないとはいえ、慎重すぎたかもしれない。もう少し黒部ダムにいても良かった。
平湯温泉行きの高速バスの乗客は我々4人だけ。我々がいなければ運休になったはずだから、運転手さんにとても申し訳ない気がした。
バスは大町市内を大糸線と並走し、松本から梓川沿いを上高地に向かった。上高地の先で安房峠道路に入った。1998年の長野オリンピックのために造られたバイパス道路で、5時間以上かかっていた安房峠越えをわずか5分に短縮させた道である。安房峠道路の出口のすぐ先に平湯温泉のバスターミナルがあった。
あたりは薄暗く、時間は6時半を過ぎていた。
お気に入り名盤! ダン・ニマー:Modern Day Blues