私は藤原伊織の大ファンである。
藤原伊織の小説なら無条件で読もうとしている。(ただし、例によって文庫ですけどね)
本書は
<著者が知悉する 広告業界を舞台に展開する ビジネス・ハードボイルド長編、待望の文庫化!>
と上巻の帯にあるとおりだが、どちらかといえばビジネスの部分が面白い。
ハードボイルドというのは主人公の性格によるものである。
大手広告代理店・東邦広告の営業部(数多い)の副部長・辰村祐介(38歳)が主人公である。(よく喧嘩をする男である)
辰村の所属する部は突如として大きな広告のプレゼンテーションをしなければならなくなった。
このことは社内のなかでの軋轢を生む。
それからプレゼンに向けてのプロジェクトチームの編成をして動き出す。
このプロジェクトチームのメンバー、笹森、戸塚、平野がいい。特に戸塚は「こんな部下がいたら」のコンテストでは第1位に間違いなしである。
私もこういう部下と組んで仕事がしたい。
それと並行的に辰村の幼い頃(小6から中学時代)の事件が述べられる。
勝男と明子の3人がもつ秘密。
プロジェクトの進捗とあわせて、この幼い頃の事件がリンクしてくる。
そして、いよいよプレゼンが行われる・・・
立花という女性部長と辰村の名コンビぶりと行くところまでいくのかというヤキモキする部分もいい。
そして藤原伊織の出世作となった「テロリストのパラソル」にでてきた設定も使われている。このことは解説を読むまではっきりわからなくて、なんだか依然読んだものにもこんなことがあったよなあ、と思っていたのである。
主役の辰村だけではなく、彼を囲む人々も魅力的(悪役・敵役も含めて)なことから、物語はあちらこちらに回り道をするのだが、スイスイとそしてグイグイと引き込まれていく。
ただ・・・・
辰村の年齢設定が38歳、というのがひっかかる。
こんな38歳・・・つまり非常に老成している・・・いないと思うのである。
藤原伊織の作品の主人公はやっぱり団塊の世代でなければ・・・と思うのである。
物語の時代や環境の背景と主人公をリンクさせようとすると、主人公の年齢を団塊の世代だけに設定できないのであろうが、藤原作品の主人公の性格は団塊の世代が通り抜けてきた時代を背景として出来上がっているような気がするのである。
主人公・辰村の38歳の年齢が最後までひっかかるが、それを補ってあまりまる、というのが藤原伊織ファンの感想である。
そして、北上次郎の文庫解説も大きなおまけで得した気分である。
藤原伊織の小説なら無条件で読もうとしている。(ただし、例によって文庫ですけどね)
本書は
<著者が知悉する 広告業界を舞台に展開する ビジネス・ハードボイルド長編、待望の文庫化!>
と上巻の帯にあるとおりだが、どちらかといえばビジネスの部分が面白い。
ハードボイルドというのは主人公の性格によるものである。
大手広告代理店・東邦広告の営業部(数多い)の副部長・辰村祐介(38歳)が主人公である。(よく喧嘩をする男である)
辰村の所属する部は突如として大きな広告のプレゼンテーションをしなければならなくなった。
このことは社内のなかでの軋轢を生む。
それからプレゼンに向けてのプロジェクトチームの編成をして動き出す。
このプロジェクトチームのメンバー、笹森、戸塚、平野がいい。特に戸塚は「こんな部下がいたら」のコンテストでは第1位に間違いなしである。
私もこういう部下と組んで仕事がしたい。
それと並行的に辰村の幼い頃(小6から中学時代)の事件が述べられる。
勝男と明子の3人がもつ秘密。
プロジェクトの進捗とあわせて、この幼い頃の事件がリンクしてくる。
そして、いよいよプレゼンが行われる・・・
立花という女性部長と辰村の名コンビぶりと行くところまでいくのかというヤキモキする部分もいい。
そして藤原伊織の出世作となった「テロリストのパラソル」にでてきた設定も使われている。このことは解説を読むまではっきりわからなくて、なんだか依然読んだものにもこんなことがあったよなあ、と思っていたのである。
主役の辰村だけではなく、彼を囲む人々も魅力的(悪役・敵役も含めて)なことから、物語はあちらこちらに回り道をするのだが、スイスイとそしてグイグイと引き込まれていく。
ただ・・・・
辰村の年齢設定が38歳、というのがひっかかる。
こんな38歳・・・つまり非常に老成している・・・いないと思うのである。
藤原伊織の作品の主人公はやっぱり団塊の世代でなければ・・・と思うのである。
物語の時代や環境の背景と主人公をリンクさせようとすると、主人公の年齢を団塊の世代だけに設定できないのであろうが、藤原作品の主人公の性格は団塊の世代が通り抜けてきた時代を背景として出来上がっているような気がするのである。
主人公・辰村の38歳の年齢が最後までひっかかるが、それを補ってあまりまる、というのが藤原伊織ファンの感想である。
そして、北上次郎の文庫解説も大きなおまけで得した気分である。
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