読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

警察庁から来た男 佐々木譲 ハルキ文庫

2009-12-19 23:50:34 | 読んだ
「笑う警官」に続く道警シリーズ第二弾!
なのである。

北海道警察の不祥事を題材にした物語の「笑う警官」で、道警における不祥事は払拭された、ということになった。
しかし、どうもやっぱりナニかあるらしい。

ということで、警察庁から特別監査が道警に入った。
そして道警は大騒ぎ。

その大騒ぎと同時進行で、不可解な事件、というか、事件が事件で無くなってしまうようなことが起きる。

「笑う警官」事件の時、独自に(つまり不正規に)操作をした、佐伯警部補と新宮巡査は、その後『閑職』にまわされていた。
その二人が、ホテルの部屋荒らしの捜査に携わる。
そこから、事件は広がっていく。

また、警察庁かたきた監察官藤川警視正は、笑う警官事件の時、道警から射殺されそうになった、そして議会の100条委員会で不祥事について証言した「うたった」警官の津久井を観察の助手に指名する。
さらに、観察を進めるとあの女性警察官の小島百合も助手に指名される。

佐伯と新宮が捜査をするめるうちに新たな殺人事件が発生する、また監察を進めるうちにやっとたどりついた「キーワード」

不祥事というのは、組織の疲労が原因だと思う。
そのことについて、例えば道警のように異動で対応をすると新たな問題が発生する。

つまり組織疲労による弊害を取り除くのは非常に難しいのである。

組織全体で不祥事に対応する、といったって、必ず自分は特別な存在であると思っているやつがいて、結局、組織全体ということにはならない。

そんなことをこの物語を読みながら考えた。

正義とはなにか、正義を貫くというのは何か、正義のために不正義があってよいのか。
いろいろな問題を抱えてこの物語は進んでいく。

いやあ、ホント身につまされる、と思い、ため息とともに読み終えたのだ。

道警シリーズ第3弾として「警官の紋章」が単行本で出ているとのこと。文庫になるまで待っていよう。

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