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読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

永遠につづく手紙の最初の一文 三浦しをん 小説新潮3月号

2007-03-12 22:50:03 | 読んだ
岡田勘太郎と寺島良介の二人が体育倉庫に閉じ込められたところからはじまる。
文化祭の後夜祭が始まろうというときにである。

寺島はピンクのネコの着ぐるみ姿である。クラス劇の扮装のママなのである。
そして、閉じ込められたというのに、寺島は「5時に佐代子と待ち合わせをしている」とかマットで寝床を作ったりするのである。
そういう寺島を見ていると岡田は「バカだなあ」と思ったりするのである。

岡田と寺島は小学校3年からの遊び仲間である。
寺島は
「いるだけで、なんでもない教室や放課後の空き地が、輝く王国に変わる」
というヤツである。

岡田は、一度だけ寺島が声を上げて泣く姿につきあっている。

さて、閉じ込められたものの、実は岡田携帯を持っている。
なぜ、携帯で助けを呼ばないのか?

倉庫の中から佐代子の浮気をみつけたりする。

「明確なのはただ、岡田のなかで寺島の幸と不幸は渾然一体となって、いつまでも物狂おしいまでに胸に渦巻いているということだけだった」

という岡田の心は・・・

なんだかわかるような、そしてなんだか気持ち悪いような、男の気持ちを女流作家が描いている。

三浦しをんの短編小説いいかも。

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