読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

倍賞千恵子の世界

2017-09-06 17:57:44 | 読んだ


倍賞千恵子と言えば
「男はつらいよ」

そして、山田洋次監督の映画にもずいぶん出演していて、概ね私がみたものでは「いいひと」でした。

それから私小さい時から、倍賞千恵子さんの「さよならはダンスの後に」が大好きでした。
テレビで、健康的な「下町の太陽」を歌うと少しがっかりしたものでした。

さて、本書は、倍賞千恵子さんがこれまでの役者人生・歌手人生を振り返って、印象に残った人や場面、そして役者という仕事の在り方や歌とのかかわりを綴ったものです。

映画とか舞台とかで役者をしたことのない私にとって(したいとも思いませんが)、演技するということは非常に難しいというものだということがよくわかりました。

脚本を見てセリフを言って、手ぶり表情をなんとなくそれらしくする。
というのと、
『その人物になりきってなおそれを見ている自分がいる』
ということは全然違うもの。

そしてその人物になりっきって演じても、監督が思い描くものと乖離があればOKにはならない。

だけどそれがOKになればこれ以上の快感はないんだろうねえ。

倍賞さんは「渥美清」そして「高倉健」という、いわゆる3枚目と2枚目と多く共演しているが、それが違和感がないと思っていた。
どちらかと言えば男はつらいよ以外の作品は、「さくら」が演じているのではないかと思うくらいだった。

だから、この本も「さくら」が書いたものではないか、なんて思ったりして。

映画、演劇、歌といったものは「職人」の集まりが「共同」して作り上げる、という、大変な世界なんだなと思う。
職人は「こだわり」を持っているので、その「こだわり」を多くの人の中でどう発揮していくのか、そして「こだわり」が多く発揮されたものが「名作」になるのではないかと思った。

それから、実は私、倍賞さんの出演している映画では「同胞(はらから)」が大好きです。




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