読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

食い意地クン<1>焼肉 久住昌之 新潮文庫

2014-03-06 23:30:50 | 読んだ
筆者は「孤独のグルメ」原作者で、テレビドラマのあと登場してその店を訪問する人である。

この人が「食い意地クン」という本を書いている。
お品書き(目次)には20種類の食べ物が掲げられている。
この中からいくつか紹介し、さらに私の思いを付け加えようという、新たな趣向である。

さて、第1回は「焼肉」である。
著者は、焼肉についてこんなことを言っている。

飲み物は「瓶ビール」ジョッキは重く動きが鈍るから焼肉に立ち向かえない。≪なるほど≫
それに、大ジョッキは焼肉が佳境に入るとテーブルに立っている姿が「愚鈍」≪さらになるほど≫
ご飯は白い飯≪そうですネ≫

(ちなみに≪≫内は私の相槌です)

注文は、キムチ(白菜の)、レバ刺し(タレはごま油と塩のほう)、タン塩二人前、上ロース一人前、カルビ二人前、あと野菜焼。
だそうです。≪ちょっと俺と違う。俺、ホルモンも食べたい≫

で、著者はここで思う。「上」というのは煩わしい。
「上」ばかり頼んでいるとイヤラシイ感じがしたり、「上」でないのを頼んでいるとケチと思わるのではないのか。
そのあたりは、適当に頼んであとは追加注文のとき他の人に任せる、という手を使うのだそうだ。

「キムチ」がまずいと精神的に復活するまで20分かかるらしい。

焼肉は「タン塩」から。鉄板がきれいなうちに塩もの。≪なるほど、そのあたりは気づかなかった≫
タン塩を焼いていると周りからちょっと巻き上がってくるところがカワイイらしい。
『いやん、熱いし』みたいな感じらしい。≪何だろうね、この感じ、よくわからない≫

ロース、カルビ、タマネギ、ニンジン、ナスと著者は勢いよく盛り上がっていく。このあたりぜひ読んでほしい。
絶対、焼肉を食べたくなる。
そして、白い飯。テンションは最高潮!

更に、追加注文。
上ミノ、上でないロース・・・

で、気づくと「腹いっぱい」
見せ出ると、食いすぎたって、やっとわかるところがいいらしい。
≪それは非常にうなずける。そうなんだ店を出て、焼肉の空気から新鮮な空気の外に出たとたんに、正気に戻るのかもしれない≫

今、私は焼肉を食べられない、というか、途中でダウンしてしまう。
特にお酒を飲んでいる食べる量が異常に少なくなる。

それでも、なんだか時々焼肉屋に行きたい、という時がある。

この文章を読むと、勢いよく焼肉を食べてみたくなる。


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