読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

神君家康の密書 加藤廣 小説新潮2011年7月号

2013-03-21 21:51:26 | 読んだ
新潮社から2011年8月単行本として出ていて、それにはこの物語のほかに2つの物語が収められているとこと。

しかし、私は、小説新潮を読み返していて、近頃読んだのである。

この物語は、福島正則が主人公である。
そして、この物語の福島正則は、これまで描かれていた短気で乱暴な武将ではない。

そうなのだ。
福島正則は三国志の蜀の武将「張飛」に似ているように描かれることが多いような気がする。そして、ついでに言えば加藤清正は「関羽」のように描かれる。

しかし、私は言いたい!
そういう男が、秀吉のもとだけでなく、家康のもとでも「大名」として生きていけるのか?

短気で乱暴な武将、ではないはず。
もう一つ突っ込めば、戦国時代を生き残った大名たちは、決して武将というだけではなかったと思う。

勿論、戦になれば強かっただろうが、平時にあっては民生もこなし、そしてなによし「したたか」であったと思うのだ。

その、したたかな福島正則がこの物語には居る。

物語は関ヶ原前夜。
家康に従い上杉征伐に向かう福島正則は、東北へ向かう追討軍が西へ引返すことを家康から知らされる。

更に、他の武将たちの範となって三成を討つ声を挙げよと頼まれる。

彼は、その後も家康に忠実に従い続ける。
それは「秀頼」を守るためであった。

この戦略は、正則の家来であり叔父である福島丹波守が大きく関与していた。

それでも、正則いや関ヶ原で家康に味方した秀吉恩顧の武将たちは家康は裏切られ続けた。
そこで、正則と丹波守は、家康の起請文を偽造し最後の切り札として使用することとした。

しかし・・・・

この物語を読んで、福島正則は満足しているはずだと思う。


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