尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

首都圏外郭放水路の「地下神殿」を見に行く

2022年01月24日 20時57分39秒 | 東京関東散歩
 近年「地下神殿」と言われて有名になっている「首都圏外郭放水路」に行ってきた。前々から一度行きたいと思っていたが、1月末まで東武線の春日部(かすかべ)駅から無料バスが出ている。もっとも突然行っても入れない。事前にホームページから予約が必要である。いろんなコースがあって、時間を掛けて奥の方まで見せてくれるコースもあるが、長靴、ヘルメット着用で4千円。まあ、そこまではいいでしょうと千円で1時間の地下神殿コース
 
 上記画像のような写真を見たことがある人も多いだろう。最近は特撮ドラマなどによく利用されているというし。だけど、これを見ると真ん丸の円柱が立ち並んでいると思ってしまう。僕もそう思ってきたのだが、行ってみると実は細長い長円形なのである。かまぼこ板の四隅を丸く切ったような形の柱になっていてビックリ。地下80メートルの空間にいるので、高さ80メートルである。2枚目のタテの画像の柱に上下二つの印がある。上まで水が来るとポンプで排水して江戸川に流す。下の印を下回るとポンプが空回りする。残った水は元の川にポンプで戻すということだった。
   
 先に地下の写真を載せてしまったが、ここは庄和排水機場(上1枚目の画像)である。そこに「地底探検ミュージアム 龍Q館」という博物館が作られている。(月曜定休のため未見。)2枚目はそこに掛かっていた説明パネル。3枚目は建物を横から見た写真。この建物の中で受付をするが、実は地下に降りるのはここではない。4枚目のように建物の隣がサッカー場2面分の広大な空き地になっている。そこの下が「地下神殿」なのである。そして4枚目写真の左奥に見える小さな地下鉄駅(への降り口)みたいなところが、神殿入口なのである。200メートルぐらい歩いて行って、そこから110段ほど降りていく。階段は写真禁止になっている。
  
 上の画像は「第1立坑」で、地下神殿になってるところの反対側である。僕も勘違いしていたのだが、ここは利根川や荒川などの洪水用ではない。そういう大きくて有名な川の間にある中小河川が対象なのである。大きな川に囲まれて、この地域は「お皿」状になっていて水が集まりやすい。具体的には大落古利根川、幸松川、倉松川、中川といった川である。これら中小河川の水が増水すると、第1から第5までの立坑から取り込まれる。その水を溜めておくのが「調圧水槽」で、それが地下神殿の正式な名前なのである。第1立坑は「地下神殿」に水を流し込む一番近い立坑になる。ところで、そこから何かゴウゴウという音がする。何だろうと思ったら、立坑の上にスケートボード場があるという。出たら確かにスケボーやってた。まさかその音があんなに響くとは。
   
 ということで、大体説明が終わって後は自由時間で写真を撮る。いくら撮っても同じようなものだが、人間が小さく映り込んでいる方が柱の高さが感じられて面白い。(見学は階段に近い一角だけ。)この「神殿」に集まった水を排水機場のポンプで江戸川に流すという。関東地方は冬に晴れが多く、今は見学日和である。施設は年平均7回程度は使われていて、この地域の洪水を減らしている。この水槽区域には池袋のサンシャインビルほどの水を溜められるという。何でこんなに大きな柱が幾つも必要なのかというと、この地域は地下水が多くて浮力で浮き上がってしまうのを防ぐための重しなんだという。
 
 下りたものは上らなければならない。この階段上りがキツいわけで、足が弱い人は参加できない。しかし、まあ大体の人は何とかなるだろう。階段を上って出たところで受付の建物(龍Q館)を見ると、上の画像のような感じ。最近盛んになりつつある産業ツーリズム。ここは「産業」ではないが、インフラ観光という意味で似ている。実際に機能している構造物を見られるというのも貴重な体験だった。帰りのバスは近くの道の駅庄和に寄るので、そこを少し見て帰ってきた。
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