尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

尾瀬は大丈夫か?

2011年07月09日 23時10分53秒 |  〃 (原発)
 ずっと原発について書く中の、番外編。尾瀬は大丈夫か?

 何を言っているかわからない人もいるかもしれないが、尾瀬ヶ原は東京電力の水利権があったところで、群馬県側の土地は東京電力が今も所有している。(福島、新潟は国有地。)日本の自然保護運動は尾瀬の保護運動に始まり、尾瀬の保護運動は東電の開発計画との闘いだった。東京電力が発電所計画や分水計画を断念したのは1996年のことである。
 現在、尾瀬の木道を整備しているのは「尾瀬林業」という東電の100%子会社である。東電は尾瀬保護に年2億円を投じて、今は自然保護、観光の中心を担ってきた。

 こういう流れを見てくると、今後東電が今までのように尾瀬の保護に金を掛けられるか、大規模原発事故への対応で莫大な資金が必要な中で、心配になってくる。この問題は、ずっと前から心配で一度書いておきたいと思ったのだが、ほとんど他で取り上げられていない。(朝日新聞6.21夕刊「窓 論説委員室から」が僕が今まで見たただ一つの例外。)

 尾瀬は(個人の他に)林間学校で計3回行った。特に1989年夏に行ったときは、山小屋2泊、コース別分宿というすごいことをやった。僕は今まで担任をした学年ではすべて旅行行事を担当したので、いろいろな思い出があるのだが、このときの尾瀬林間学校は僕の宿泊行事の最大の思い出。まさに尾瀬林業が経営している「東電小屋」「元湯山荘」「尾瀬沼山荘」に分宿した。僕は東電小屋に泊まっている。とにかく山小屋まで行きつかなければ寝ることができない。具合が悪いからふもとのホテルで待つ、ということができない。疲れた生徒の荷物をみなで持ち合いながら、やっとついた山小屋の周りの尾瀬沼、尾瀬ヶ原の美しさ、素晴らしさ。この旅行の思い出と感激は忘れられない。

 その尾瀬を今後も永遠に残していくのは日本人の宿題だが、何か方法はないか?勝手に書くと、尾瀬を国民の手で買い取れないか、と思うのである。尾瀬保護財団の理事長である群馬県知事(先ほど再選された)は反対しているようだが、一部でよく言われる「無利子国債」(その代り相続税の対象外とする)などは「尾瀬債」でこそ意味を持つような気がする。いろいろなアイディアを出すことで、寄付金も集まるのではないか。個人で100万単位、企業で1千万、1億単位で出すところもあるのではないかと思う。(尾瀬買い取り財団指定の水芭蕉ロゴの使用権を多額寄付企業に提供する。尾瀬3県の宿泊施設割引や特産物割引を寄付個人の特典とするなどなど。)僕はどこかでマジメに考えてみるべきだと思う。

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