小学館から「新説 九州の関が原」が出ました。新説と言ってもすでに旧聞に属することばかりで新鮮味はないのですが、表紙には如水と中津城が堂々と載っています。嬉しい限りです。関が原の合戦が今まさに起きようとしているとき九州は豊前中津の地で中津城にいた黒田如水は早船で上方の風雲急を告げたる様を知った。黒田軍の主力部隊六千余は長政と共に家康軍と上杉征伐に向かっていて中津には幾許も兵は残っていなかった。が、しかし黒田如水の天才たる智謀は生涯を懸けた行動に出る。今まで蓄えた金銭を城内の大広間に積み上げ領内の男子に分け与え俄兵士として徴集した。その数三千有余人。九州の豊臣方の城を征伐しようとして国東から別府へ向かい、石垣原にて大友氏を撃破。後、合戦を重ね北九州から筑後、佐賀、久留米と向かうところ敵なしの快進撃であった。あと残すところ鹿児島の島津家のみとなったところ家康から停戦命令が届く。関が原の合戦がもう2~3ヶ月かかると踏んでいたのだが皮肉にも息子長政の大殊勲の働きによりそれは1日で終わる。如水は九州を征伐した後中国地方から攻め上がり血縁縁者の多い播磨で兵力を増し関が原の勝者と天下分け目の合戦をするつもりであった。そんな野望を持っていたのだ。1日で終わったと知ったときの如水の無念さは如何ばかりであったろうか。この本は如水が生涯で最も生き生きと歴史の中で躍動していた時代を余すところなく記している。黒田如水フアンとして必読の一冊である。是非多くの方々に読んで欲しいと思うものです。
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