チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

手間隙かけて

2010年12月01日 11時41分06秒 | 日記
アレだけ手間をかけて作っても現実は売れない
何の話?
きものの話
いい糸できものを作りたいと
ついには桑を植え蚕を育て繭から糸を引き
更に染色材料の栽培もする
当然デザインもーー

此処までは大日本蚕糸会の提携システムを使えば
いくばくかの研究費は出る

染織家の大御所ばかりを集めたシンボジウムが
昨日道明文化女子大学名誉教授の司会で開かれた

秋山眞和 山岸幸一 小宮康正 志村 明
お一人お一人の真摯ものづくりの様子が縷々わかって
逆にこんなに手間隙かけたら
いったいどれくらいの着物の金額になるのかというのが
チト怖い

日本の養蚕を栄えさせるためのシンボジウムでもあるが
こういう会は「着る人」がいつも置き去り
きものは着る人がいて何ぼの世界なので
着る人のことを考えなあかん

ところで
日本の絹を着ましょうということが趣旨なのだが
日本の絹はいいに決まっているという前提でもある

デモ残念ながら
他国の絹もいいものはいい
しかも日本の絹より安価

それでどうだろう
きものも「エコ免税」の仲間入りをしたらいい
日本の絹で作られたきものを買う人には50%の補てんを国がする
というのはーーーー
日本の絹のきものを着る人がジャンジャン増えるね

本当に手間隙かけてきものを作っている人に報いるためにも
「着る人」のことも国は視野に入れたい

断っておくが
きものがもしこの日本から消え去ったら
日本の伝統文化は全部消える


コメント (1)
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