チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

笑顔

2023年12月17日 11時32分43秒 | 日記

人と目が合うと条件反射のように笑顔が出る

道を歩いていて困って居そうな人を見ると駆け寄って手助けする

乳幼児を見るとすぐ笑顔になりあやす

子供が来ると懐紙に飴包んでわたす

来客を送ってきた車の運転手さんにすぐ、世間話を仕掛けてお茶とお菓子をお盆にのせて渡す

怒り狂って喧嘩をしているときも、誰かが訪ねてくるとその人に笑顔を向ける

悪口言っていたのにその人の前に出るとねぎらっている

見ず知らずの人にも笑顔で挨拶して語りかける

乗り物に乗ると隣の席の人に笑顔で挨拶してもう話し込んでいる

御用聞きにもお茶出して少し休んだら?と話しかけている

 

そういう母が大嫌いだった

 

と、あるとき

所所事情があって外国船にご招待を受け、アラスカ航路に行った

その時船上で出会った日本人の乗客に

「あなたそんなに笑っていると誘惑されるわよ」

「あなた誰にでも笑顔見せてると舐められるよ」

「君ね笑顔を向ける相手を選ばないといけないよ」

自分では故意に笑顔を作っていたわけではなく、視線が合えばにっこりしていただけだったのに、日本の皆さんには不評だった

しかし英語の得意でないチャ子ちゃん先生が、その笑顔のおかげでとても楽しく外国の方々とお付き合いができたし、親切に注意をしてくださった紳士淑女たちも、結局は笑顔をを作り社交がスムースに行って楽しい船旅だったと、いまだにお付き合いができている

 

笑顔は万人の心を溶かすものだとそのとき分かった。母の笑顔を軽蔑していた自分が、いつの間にか母と同じような行動をしているのかと思うと笑える。そういえばわが姉兄の顔を思い浮かべるとき笑顔の顔しか浮かんでこない

 

母親という師匠の薬はじわじわと満身に効いてくるものだとつくづく思う

あの頃うざったい母親だと思っていたが、今はマリア様だ

 


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