チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

八朔

2023年08月01日 08時47分35秒 | 日記

八朔というと「みかん」と思う人が多いけど、暦の上の八朔は五穀豊穣を祝う日

もちろんこの日は旧暦の八月一日、今年だったら九月十五日になるけど、稲刈りが始まり、初穂を神棚に収めて「田の実り」に感謝。だから「頼み正月ともいわれていて、白紋付を着て「おたの申します」とお世話になった師匠のところにご挨拶、という習慣もある

 

もともとは家康が江戸城に初めて入城した日として、各藩の大名が八朔の日白裃を着てあいさつに登城する習わしが、下々にもいきわたったといわれている

今はどうか知らないが、昭和40年代だったと思う、京都の祇園で取材したとき、舞妓さんたちが白紋付を着て「おたのもうします」とお茶屋やけいこごとのお師匠さんのところにご挨拶していたけど、そしてお師匠さんたちは「おきばりやっしゃ」と言って扇を渡していた。末広がりに成長しなさいという意味があるのだと教えてくれた。

昭和50年の終わりに行ったときは絽の黒紋付になっていた、今はどうなんだろう、この日に行かなければ見られない

 

こういう習慣も「意味ない」と言ってどんどん消えていくのが昨今の風潮

これはもともとの意味が薄れていくので「意味ない」ということになっていくのだろう。花柳界というところは風習を重んじる唯一の場所になっていると思う。しかし今では祇園の舞妓も祇園生まれは皆無だし、更には京都生まれもいないという現状、そのうち日本生まれの人も少なくなっていくのだろうかという危惧もある

 

日本はなし崩しに「日本」を失っていっている。外圧もあるが内部崩壊のほうが目に余る

日本を取り戻す早道は先人たちの知恵の結集である、冠婚葬祭喜遊楽だとチャ子ちゃん先生は思う

喜ばせることのうまさ

遊ぶことの美しさ

楽しむことの味わい深さ

冠婚葬祭が儀式ばっているならば、この喜ぶ、喜ばせる。遊ぶ、遊ばせる。楽しむ、楽しませることは、日本人は天才的に上手。この特質を思い起こして日本を楽しい国に作り上げたいものだ

時は先祖を思い敬う盆行事ががある8月、シンレキではあるが今日は八朔、「おたのもうします」


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