チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

美しいキモノ

2022年03月20日 10時32分26秒 | 日記
昨日の「比佐子つれづれ」には、美しいキモノの元副編集長の「富澤輝実子」さんをゲストにお招きして、在籍40年の歴史を語っていただいた

正道を歩む編集態度に改めて尊敬の念が生まれた
一本の糸を辿ってその糸がどういう旅をしていくのかを、一年間かけオールカラーの40ページ、圧巻の編集を若い時にして、その時の思いが「産地取材」に軸足を置いた仕事姿勢になったのだとおっしゃっていた

始めは小千谷、昭和村の苧麻畑から、績む人の取材、新潟での織り、その種類を女優さんたちが着る、さらに着た後の小千谷の雪晒、小千谷縮を細かく細かく取材し、写真に収め、着方まで丁寧に編集されている

同じ姿勢で奄美大島の大島紬、絣くくりの時代から締め機になり、絣の美しさを競う人達の取材、しかも島の人たちの大島紬に対する深い喜びを感じるモノづくり

結城紬、十日町織物、足で歩きこまかく取材した一つ一つの話が、聞いている人たちの胸に響く
日本人の物づくりに対する真摯な姿勢が富澤さんからユーモアを交えて話されると、作る人たちに心を寄せた着物の着方をしたいと思う

岡谷の製糸工場での「工女さん」たちの話は、皆さんが「野麦峠」の悲しい物語とあまりにも違うのでびっくり。90歳をはるかに超えた方々の、聞き取り調査の結果を目で確かめ、調査した方の(その方も90歳になっていた)生の声を聴いて、日本が生糸で外資を稼いでいたころの風景が、聞いてる人たちの脳裏に宿る

十日町蘇生の一つが黒絵羽の羽織生産であり、明石縮であった。織の産地であった十日町に型染の技術を教えた人、各産地同士の技術の交換も、富澤さんはしっかりと現場で見てきた

そして今なお現場で、精力的に作り手とのおつきあいを広げている

淡々と深いお話をなさる姿に感銘を受けた時間だった

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