チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

370軒?

2011年07月28日 18時41分06秒 | 日記
昭和50年代だったかな
群馬の養蚕農家を取材したとき
「昔に比べて少なくなり380軒になりました」
後継者は育たないし農家の高齢化が進み増えることは無いです
と淡々と組合の方

何とかしなければと
ブランドシルクを農水省に提案したり
町おこし村おこしに若い人の養蚕農家への道作り
チャコちゃん先生結構立ち働いたんですけどね

着物がその当時は良く売れていて
更に生糸相場で儲ける人もいて
耳を傾けてくれなかったなあ

また一緒に組む相手も違っていたのかもーー

2年ぶりに愛媛の野村町に打ち合わせに行ってきた
ここの城川町のハムの美味しいことといったら
まあそれはいい

こ町も8年前にいったときは30軒近く養蚕農家があった
そして今は11軒
「一番若手で70歳ですからーーー」
後はどうなるのか

「いまはブラジルや中国でもいい糸を作りますから」
オイオイ簡単にそういうことは言わんでおくれ

全ての絹の消費量の中で日本産の絹は0,7%の生産量だ
「私は日本の絹を着ています」
といえる人は一握りもいない

チャコちゃん先生のきものは全て日本産!オッホン
えばっていても仕方がないぞ
吟味しているし
生産の場所をきちんと把握しているからできるが
「日本の絹」
という証しついていても
ブラジルの糸を日本で織れば日本の糸となる仕組みもある
アラばらっしてしまった

日本の絹がどうしていいか
コレは本当のところ難しい
一ついえるのは
養蚕農家の人が「仕事」として飼育するのではなく
家族の一員として丁寧に飼育している
そして日本の土壌がよく桑の葉のたんぱく質が良質
ということはその葉を食べる蚕は良質な糸を吐く
つまりは10代の肌を持った糸と考えてくれれば良い

しかも
今日古江さんからの研究報告が着いたが
絹は特にセリシンの付いた糸は放射能を完全に遮断する結果が出た

日本では「なま糸」を使うことが多い
コレは繭を作った蚕がまだ生きているときに糸を取ること
生繭を外国から輸入することは出来ないので
日本の糸のよさはこの「なま糸」に行き着く

アア其れなのに
日本全国で認知されている養蚕農家はついに370軒
福島の養蚕農家が外れた

原発はついに蚕に降りかかった
コメント
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