チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

赤い靴

2011年07月18日 11時22分21秒 | 日記
映画「赤い靴」を見る
子供のころ中姉さんのデートの出しに連れて行かれ
最もこの二人のお陰で当時の西洋映画は欠かさず見た

その中でもこの赤い靴は
丁度アンデルセンの「赤い靴」の童話を読んだ後だったので
怖くて行きたくなかった
アンデルセンって今読むと本当に怖い童話が多い

まそれはともかく
ぜんざいをご馳走するという食べ物に釣られ
もうこの時から食べ物に釣られるとノーと言えないチャコちゃん先生が居る

イヤイヤ映画館に入ったが
とても感動したらしい
筋は覚えていないがその感動の感覚と赤い靴が脳裏に焼きついている
赤い靴=モイラーシアラーと頭に隅の残っていた

前振りはこの辺で
1948年に製作されたこの映画をデジタル化してうまれかわって公演
日本には1951年に来て大変な人気を呼んだ映画だ

テーマは
恋と仕事どちらを取る
という普遍のテーマなのだが
今回見てわかったのはとにかく超一流のスタッフの作った映画だった
ということ
イギリスのロイヤルバレー団とロイヤルフイルフアモニー管弦楽団が
古典バレーを美しく見せてくれる
特に若きプリナ、モイラー・シアラーの可愛さと柔軟性のある
伸びやかな踊りが素晴らしい

そしてなんと
この当時のバレエダンサーはみんなふっくらしていて人間らしい
今のバレリーナーはこの人たちと比較すると「ひもの」の体型

バーでレッスンするときなど
「へーあんなに太い足の人が多い」
と思っているが
イザ舞台に立つとその伸びやかでしなやかな動きに圧倒される
美しい

60年の時代の中でこんなにも女の体型が変わるのだと感慨無量

映画は芸術を追求するバレー団の主宰者
世界的バレリーナーを目指しながら「赤い靴」の作曲家と
恋に落ちたプリマ
純粋に人を愛していきたいと願う「赤い靴」の作曲家

踊りたい、恋人と一緒にいたい
この二つの心模様に揺れてどちらをとることもできず結果はーー「赤い靴」

芸術も恋もその純粋な衝動は人間の生への衝動
しかしいま
魂を突き動かすような恋に出会えている人はいるのだろうか
魂を揺るがす自分の仕事に出会えている人はいるのだろうか
純粋な生の歓喜を求めている人はいるのだろうか

モイラーシアラーの「ホフマン物語り」も観たい
コメント
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