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チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

玉小石

2010年11月12日 18時45分08秒 | 日記
皇室でも育てられている小石丸という名の蚕
その蚕2頭で繭を作ることを「玉繭」と呼ぶ
その繭作りに成功したので「玉小石」と名づけられた
福井大野市の呉服商人(あきんど)大門屋さんが
玉小石を使って牛首紬に挑戦

牛首紬は玉繭を使うことが義務付けられていて
最近は国産の玉繭が少なく
中国からの輸入に頼る業者も或る

大門屋さんは
戦前の牛首紬の風合いを追求している方なので
中国産の硬い玉繭は使いたくない
そこで大日本蚕糸会の蚕業技術研究所の学者さんたちと
共同開発の「玉小石」が誕生したので
早速玉繭を糸にしたという

その知らせを受けて
大日本蚕糸会の高木会頭と
チャコちゃん先生は駆けつけたわけ

玉小石は平尾先生が開発した
中性精練と従来のアルカリ精練を競合して糸を精練した
これは画期的なことで
日本で始めての精錬だ

本当の牛首紬を作り続ける
白山の「加藤工房」まで期待に胸膨らませながら
途中の山間の紅葉にも心動かされながら

そして見たものは
なんと!
この世のものとは思えない気品に満ちた糸の束
抱き上げて一晩中抱いていたいと思うほど優しい
光沢があり腰があり更にしなやか

加藤さんは
「試行錯誤しながら大門屋さんと糸作りしました」
89歳という人生の経験と覚悟の糸作りであったと思う

「これから玉ちゃんをきちんと織り上げますからね」
ベテランの織り手は嬉しそう
玉ちゃんの糸にくるまれる女はし合わせ
今のところ一年に6反しか織れない


加藤さん

忘れてはいけない
東尋坊のそばにある「望洋楼」で 0776-82-0067
解禁直後の「蟹尽くし」
あの越前かにを生で、焼いて、ゆでて
アアお腹が横に膨らむほどいただきましたわ
若女将の着物姿もご馳走



越前カニとくれば日本酒
チャコちゃん先生たち朝9時から
大野市の南部酒造場 http://www.hanagaki.co.jp で
酒蔵研修をし八種類の利き酒をしたフフフフフフ
どれも素晴らしかったが
最も気に入ったのが「七衛門」辛口

日本酒もカニも紬作りも全ての基本は「愛」
手仕事が人を優しく包む
この酒造店は全て酒がビンに入っているのがいい

そうそう
この大野市は水がおいしく
町を流れている小川の水が飲める

大門屋さんはこういう環境できものの商いをしている

来年は研修旅行を此処にしようと思った
マダマダ書き足りたりないほど色んな事を学んだ福井行きであった
コメント
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