ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

ヴィヴァ!スキンヘッド その2

2008年10月24日 | Weblog
  ☆ いよいよ実行した
 理髪店で「スキンヘッドにして下さい」と頼むと、顔見知りの奥さんは目を
丸くした。何しろ長年いつも見ていた、トレードマークのロングヘアーの
わたしだから。「どうして?」と、黙っているが目が訴えている。
「実は事情があって仏門に入ることになって……」「え!どうしてなの?
まさか」と、あまりにも心配そうな顔をしたので、気の毒になって、思わず
ふきだしてしまった そのため正直に事情を話すと、「でも……もったいな
から、それなら少しだけ短くすればいいじゃない」と言って、なかなか切って
くれない。 「もうひと思いバッサリやって」と言っても、奥さんはしばらく
考えていたが、「せめて長い髪を少しだけまとめ、とっておくように切りま
しょう」と、長い髪を少し束にして切ってくれたが、それからは早かった。

 わたしは自分がだんだん変身していく姿を、鏡でじっと見ていたが、そのプロ
セスがなかなか楽しかった。バリカンで刈って、最後にカミソリを当てて、わたし
のスキンヘッドは完成した。生まれて初めてのスキンヘッドは、触るとツルツル
してとても気持ちが良かったが、その後「奥さんの頭の恰好は、すごくきれいよ」
とほめてくれた。成程、初めて知ったが、わたしでも一つ位きれいなところが
あるのだと思ったが、これって髪の毛が生えていたら、まったく気がつかず
一生知らないかったではないか。美しくないわたしにとって、たとえ見えない
頭の形でも、人並みよりきれいと知り、ちょっと得をしたようで気分になった。
 夫はわたしを見ると、ニヤニヤしながら、一言「可愛い!」と言った。
それを知った娘や息子はすぐに飛んできて「さすが、ママ!」と、妙な
ホメ方をして二人とも笑い転げた。

その夜はわたしの頭を肴にして、夫も息子もウイックを被り、写真を撮ったり
大騒ぎし、深夜まで大宴会となったが、ホントに我が家は面白い家族だと思う。
 いくらユニークなわたしでも、さすがに人前ではショートのウイッグを被った。
すると知らない人は、「以前より若く見えるじゃない」と、案外好評だったので
お調子者のわたしはご機嫌だった。友人と待ち合わせても、イメージが変わった
ので、わたしが傍に行っても、気づかず知らん顔しているのが実に面白かった。
 親しい友人には「実はね」と、必ずウイッグを少しめくって見せる。
すると全員が「あ!」と驚き、さんざん笑ってから「あなたらしいわね」と言う。
 悪戯なわたしはそれが楽しくてならず、友人達に会いまくった。

 少し髪が延びた頃、友人とイタリアへ行ったときのことであるが、入国審査官
の若い女性が、帽子を被っているわたしをじっと見て、「コイケ?」と聞いた。
 パスポートの写真と、あまりにも違うことを、不審に感じたようなので、帽子を
とって片言で説明したら、突然はじけるように笑いだし、しばらく止まらなかったが、いつも難しい顔をしている審査官が、大笑いすることは滅多にない。
 大分遅れて審査を受けた友人は、「隣の審査官に話して、まだ笑っていたわよ」
と言った。(わたしのスキンヘッドは、イタリア人まで楽しませてしまった)と
大得意だった。そしてベリーショートになった頃、(何年か経ったら、またやろう
かな)と考えたこともあったが、さすがエキサイティングな「スキンヘッド」
は一度で終わった。

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