引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

⑤真昆布の産地をたずねて。2015年7月30日~8月4日

2015年08月11日 | 出汁素材の産地をたずねて

 <宿泊先と食事>

宿泊先は、距離感がつかめない

ので砂原商工会々長さんに選んで

いただきました。

1日目は、リゾート地にある

鹿部ロイヤルホテル。

ゴルフ場と広大な別荘が広がる

立地にあります。

ホテルの夕食は噴火湾~南茅部

でとれた海の幸尽くし。

これは蝦夷鮑ですね。

次の日は、浜の近くを希望して

鹿部の温泉旅館「鹿の湯」へ。

鹿の湯さんの食事は

朝食、夕食の2食を毎食撮り

ましたが、全部探しだせませんでした。

 

朝食のお味噌汁

おいしかったですよ。

お味噌は白味噌です。

赤味噌は使わないそうです。

地元・道場水産のたらこ。

1日、工場見学翌日の朝食に、

つきました。

かぼちゃの煮物、おいしくいただきました。

左下は鯨ベーコンです。

1日目の夜。

地元の人おすすめのお寿司屋さんに。

甲子園出場が決定した北海高校

W君のお母さんとママ共、

ソンさんという香港からの旅行客が

おすしを食べたいと、

ロイヤルホテルからレンタカーで

おすしを食べにやってきました。

聞けば香港の学校で音楽理論と

ヴォーカルの教師だとか。

じゃ、ソンさんの歌を聞きましょう

と、お寿司屋さんの女将さんの

送迎でカラオケへ。

ケミストリー、平井堅の歌を

2曲聴いてわたしは宿へ帰り

ましたが、

あまりの上手さに、あんぐり。

昨夏から実はこっそり

ボーカル教室に通ってますが

全然うまくならず、

ソンさんに、声を出すコツを尋ねたら

「まずは、腹筋を鍛えてください。

腹筋はとても大事です」

昼食は鹿部に戻って食べました。

ヒレカツ定食。

ヒレ6枚と大盛りのごはん。

ヒレの大きさ1枚12cm×5cm

ご飯は、小丼に縁ギリギリ盛り。

どうがんばっても、

上品なわたしには無理!

 

とりあえずエクスキューズしとこう。

「すみません、

全部食べきれないんで残すけど

ごめんなさいね」

「いいんですよ、ど~ぞ」

体育学部の合宿もびっくりだな、

と頭のなかでブツブツ言いながら

食べました。

全部。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

③真昆布漁をたずねて。2015年7月30日~8月4日

2015年08月11日 | 出汁素材の産地をたずねて

旅に出るときは、地図を入手し、

下調べをします。

色鉛筆の茶色は、磯。

今回は、いつもつかっている

真昆布の白口浜の産地

「川汲浜」~「尾札部」を中心に

訪ねました。

*2日の午前中はからは鹿部も)

 

=バスで移動=

31日から8月2日までは

毎日、鹿部から函館バスで往復。

鹿部ー川汲 約45分

1日6本しかないので、

1度降りたら2時間位ウロウロ。

時刻表を確認しながらの不便な

ものでしたが、

学校は夏休みだし、

お客はほとんどわたしだけなので

運転手さんとも顔見知りとなり、

運転席の隣がわたしの席。

「なんか収穫ありました?」

「もう少ししたら、(昆布の)

株の回収車がきますよ。

撮りますか?」

「すみません、次の川、ちょっと

写真いいですか」てな具合で

協力していただきました。

漁師町をてくてくてくてく、

食堂もないので、昼食は鹿部まで

戻って、また乗ってという繰り返し。

ただただ続く漁師町。

ちっとも飽きなかったのは、

地元で出会う人々のおおらかな人柄。

番屋から漂う昆布のグルタミン酸の

香りだからかもしれません。

 

写真は、養殖昆布。

 川については、

今回、出発の前に大船の大船川から

尾札部の八木川までは、地図に表記

してある川を、一応見てきました。

感動したのは、川汲川。

自分が使っている昆布の産地の川

ですから、思い入れもあり、嬉しさ一入。

その河口。

かもめが、

でんぐり返しをしてたり

日光浴をしたり。

いかに栄養豊かな場所であるかが

うかがえます。

水溝が多数あり、

鹿部では温泉の湯気の混じる

ところも。

続きます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

②真昆布漁をたずねて。2015年7月30日~8月4日

2015年08月08日 | 出汁素材の産地をたずねて

 続きです。

 

操業時間はあと3時間。

今度は堤防から、西方面の漁を

見てみようと

歩き始めたら、ほんの数軒で

わっ!!!なんと!!!

小石を敷き詰めた上に昆布が

天日干しされてます。

ざっと数えて30本程度。

海はまだ漁の最中だし

これはおそらく拾い昆布漁。

人の姿が見えないのですが

浜なのかもしれません。

もしかしたら、と番屋の横を

勝手に廻ってみたら

日差しを浴びて光る、帆立貝。

3ヶ月位のきじ猫が船の裏から

顔を出したり引っ込んだり。

思いがけない風景、

こういう幸せというのは、なんて

表現すればいいのだろう

しばし佇みました。

7時半。

ここで、ここから徒歩20分の旅館に戻って朝食。

拾い昆布の方が、どんな方なのか

楽しみにしながらいただきます。

ごはんがすすみ、2膳なり。

 

食後、再び訪れたけど、

主はまだ海のよう。

カラスが猫のカリカリで食事中。

 

お隣の家では男性の姿が見えます。

挨拶したら

「昆布買いにきたのか?」

「いえ、いえ、真昆布漁を見に」

「どっから?大阪か?」

「東京からです」

「東京からというのは見ねな」

 

「これ、昨日採ってきて干した。

干場見るか?」

「どこで干してるんですか」

「場所がねがら向かいの山に

干場つくってる。隣の部屋の

(温風乾燥)の干場と両方で

乾燥だ。見るか」

外は漁の真っ最中。

「お子さんは?」

「3人。次男と三男が継いで

今日も前で採ってる」

「それは幸せですね」

「お父さんは出ないんですか」

「俺はもう引退した」

「まだまだできそうな、

いい身体なのに、引退ですか」

「昆布漁は重労働だ。

もう、捻(ねじ)る力がなくなった。

(昆布の)根元に引っ掛けて捻って、

引き揚げるのには

ものすごい力が必要だ」

立ち上がって、塩化ビニールの

マッカを見せて

「ヒビ見えっか」

「捻ったときに重さで入ったヒビだ」

天然真昆布の長さは幅約30cm、

長さ2m~8m位。

 

昆布漁の船は2~3人乗用の小型船。

足場の悪い(だろう)揺れる船の上で

の作業は、力も余分にかかるだろう

ことが想像できます。

話していたら、

昆布をどっさり抱えた女性が

浜から上がってきました。

年齢は50代~60歳か。

焼けた肌に青いウエットスーツと白が

とても似合う小綺麗でチャーミングな人。

挨拶ののち、

「ちょっと昆布の写真撮らせて

もらっていいですか」

「こんなんでよかったら」

「ご主人、いま、海ですか?」

「そう、わたしは酔うので乗れ

ないから、前で拾ってる」

 

「何してる人?」

小さな日本料理と、だしのとり方の

教室をしてまして、と言うと

返事代わりのように

目の前に昆布を差し出し

「水昆布、知ってる?」

「ええ、どういうものかは

知ってます。

でも売ってるわけじゃないので

見たことはありません」

「これ水昆布。

普通のと見比べるとわかりやすいね」

両方、並べて見せてくれました。

*水昆布というのは1年昆布

とも呼ばれ葉が薄く形も小さめ。

旨味も薄く商品価値は低い。

 

拾い昆布の株です。

この方のお話もすごく勉強に

なりました。

雨が降りそうだからと

広げて干さず、大きさをまとめて

番屋近くに置きます。

 「また採りに行くわ」

ウエットスーツに麻縄を巻き、浜へ。

「さっきは、鹿部漁港の近くまで

行ったの」

「なんか、楽しそうですね」

「そう、海が好きだから」

実家は江差の帆立漁師とのこと。

姿を見送って、

帆立の貝殻の道を登ったとき

ちょっぴりジーーンときました。

 

採取終了時間の10時。

鹿部漁港で、再び姿をみかけました。

ご主人の採取した昆布に埋もれる

ようにして選別し、結束しています。

クレーンがないため、

陸揚げも一苦労です。

 

ご主人の昆布は、葉幅、厚み、長さ

共、その形状は素晴らしいものでした。

組合に集められるので、それは

無理な注文ですが、鹿部浜産の昆布も

白口浜。ご主人の昆布で

だしを引いてみたいと思いました。

 

いただいた根昆布。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

①真昆布漁をたずねて。2015年7月30日~8月4日

2015年08月06日 | 出汁素材の産地をたずねて

 

4年前、2015年夏のブログです。

毎夏、このときの光景、昆布の感触、

出会った人々を、つい昨日のことの

ように思い出します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

自宅で毎月、だしとり教室をスタート

して7年。

不定期開催の仙台での教室を加えると

通算12年経過しました。

 

長い間、いつか行きたいと思案していた

昆布の産地への旅。

行きたいと願っていれば叶うもので、

砂原町商工会々長、他のみなさんとの

ご縁をいただき、

思い切って5泊6日で北海道・南茅部(みなみかやべ)

鹿部(しかべ)を訪ねることに。

目的は、強い旨味の川汲浜、尾札部の昆布を

育てる自然環境を確かめること、

天然昆布の漁見学

組合納入までの漁師さんの作業工程を

知りたい、という予定でした。

 

しかし、訪れてみたら

7月20日~8月12日までと聞いていた

川汲浜の天然昆布の漁は7月25日に

終了しており尾札部も漁はなし。

さてはて、どうしたものか。

頭がちょっぴり、白くなりましたが

しかし焦っても仕方ない。

ともかく歩こう!

「養殖しかないなら養殖を見てみよう」

「出会った漁師さんがご縁のある人」

そう腹を決めて、

歩いては作業中の(乾燥中の)養殖昆布を

見させていただきました。

 

宿に帰ると、「いかがでした?」

と迎えてくれる女将さんと従業員のA子さん。

とくに今回、強力な助っ人だったのがA子さん。

尾札部の昆布漁師の家に生まれ、

小学校低学年から船に乗せられ

漁を手伝わされていたという人。

「どこの家の子もそうでした。

船酔いで吐いて吐いてフラフラになっても

両親は知らん顔でした」

そんな小さな子が何を手伝うの?

「昆布の大きさを揃えて、ひもで結束します

結束をしておくと、その後の作業がラクなんです」

 

 

そのA子さんが、

8月1日の夕飯の配膳のとき、

「親友のお兄さんが昆布漁師なので

天然漁の有無を聞いてもらったら

明日、鹿部の浜で漁があるらしいんですよ。

南茅部じゃないけど行かれますか?」

もちろん、もちろん~♫

「漁のある日は組合から(漁師の家だけに届く)

放送が届くんですけど、

放送があったら、漁師さんが旅館に知らせて

くれることになりました。

多分朝4時台だそうです。

女将さんが直接お部屋にお電話します」

4時半過ぎ、女将さんから

「朝5時出航だそうですよ」

はいっ!!!

着替えて待っていたので

鹿部港に4時53分に到着。

 

5時ジャスト

出航する1番乗りの船。

しかべ間歇泉公園の前が漁場というので

防波堤へ走ると

次々と集まってきました。

 

.

30分の間に漁場を決め、

組合からの漁を許可する「旗揚げ」を

待ちます。

旗揚げは5時半。

組合の「旗揚げ」があったのでしょう。

スタートです。

船の上の動きがにわかに忙しくなりました。

 

 

組合の決めた終了時間は10時。

港に戻ってみました。

9時50分に寄港してきた1番乗りの船。

山盛りの昆布を積み

帰港するやいなや

クレーンを装備した船に横付け。

岸で待っていた妻は

すばやく船に飛び乗り、

先ずは計器や箱メガネなど

道具を持ち出します。

夫はクレーンの操縦。

揺れる船のなかで

クレーンで昆布を引き揚げやすいよう

網のなかに昆布を入れます。

これが天然真昆布です。

1日まで養殖ばかり見てきたので、

違いは歴然。

 

 力強い株です。

写真数枚では伝わらないかもししれませんが、

重労働です。

 

昆布に対しても、漁師さんに対しても

昆布は、だしをとるだけではなく、

使い果たさなければ、

食べ尽くさねば、

「申し訳ない」、「罰が当たる」

そんな思いに駆られました。

 

約730枚の写真を撮りました。

ブログ、続きます。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする