引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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①真昆布漁をたずねて。2015年7月30日~8月4日

2015年08月06日 | 出汁素材の産地をたずねて

 

4年前、2015年夏のブログです。

毎夏、このときの光景、昆布の感触、

出会った人々を、つい昨日のことの

ように思い出します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

自宅で毎月、だしとり教室をスタート

して7年。

不定期開催の仙台での教室を加えると

通算12年経過しました。

 

長い間、いつか行きたいと思案していた

昆布の産地への旅。

行きたいと願っていれば叶うもので、

砂原町商工会々長、他のみなさんとの

ご縁をいただき、

思い切って5泊6日で北海道・南茅部(みなみかやべ)

鹿部(しかべ)を訪ねることに。

目的は、強い旨味の川汲浜、尾札部の昆布を

育てる自然環境を確かめること、

天然昆布の漁見学

組合納入までの漁師さんの作業工程を

知りたい、という予定でした。

 

しかし、訪れてみたら

7月20日~8月12日までと聞いていた

川汲浜の天然昆布の漁は7月25日に

終了しており尾札部も漁はなし。

さてはて、どうしたものか。

頭がちょっぴり、白くなりましたが

しかし焦っても仕方ない。

ともかく歩こう!

「養殖しかないなら養殖を見てみよう」

「出会った漁師さんがご縁のある人」

そう腹を決めて、

歩いては作業中の(乾燥中の)養殖昆布を

見させていただきました。

 

宿に帰ると、「いかがでした?」

と迎えてくれる女将さんと従業員のA子さん。

とくに今回、強力な助っ人だったのがA子さん。

尾札部の昆布漁師の家に生まれ、

小学校低学年から船に乗せられ

漁を手伝わされていたという人。

「どこの家の子もそうでした。

船酔いで吐いて吐いてフラフラになっても

両親は知らん顔でした」

そんな小さな子が何を手伝うの?

「昆布の大きさを揃えて、ひもで結束します

結束をしておくと、その後の作業がラクなんです」

 

 

そのA子さんが、

8月1日の夕飯の配膳のとき、

「親友のお兄さんが昆布漁師なので

天然漁の有無を聞いてもらったら

明日、鹿部の浜で漁があるらしいんですよ。

南茅部じゃないけど行かれますか?」

もちろん、もちろん~♫

「漁のある日は組合から(漁師の家だけに届く)

放送が届くんですけど、

放送があったら、漁師さんが旅館に知らせて

くれることになりました。

多分朝4時台だそうです。

女将さんが直接お部屋にお電話します」

4時半過ぎ、女将さんから

「朝5時出航だそうですよ」

はいっ!!!

着替えて待っていたので

鹿部港に4時53分に到着。

 

5時ジャスト

出航する1番乗りの船。

しかべ間歇泉公園の前が漁場というので

防波堤へ走ると

次々と集まってきました。

 

.

30分の間に漁場を決め、

組合からの漁を許可する「旗揚げ」を

待ちます。

旗揚げは5時半。

組合の「旗揚げ」があったのでしょう。

スタートです。

船の上の動きがにわかに忙しくなりました。

 

 

組合の決めた終了時間は10時。

港に戻ってみました。

9時50分に寄港してきた1番乗りの船。

山盛りの昆布を積み

帰港するやいなや

クレーンを装備した船に横付け。

岸で待っていた妻は

すばやく船に飛び乗り、

先ずは計器や箱メガネなど

道具を持ち出します。

夫はクレーンの操縦。

揺れる船のなかで

クレーンで昆布を引き揚げやすいよう

網のなかに昆布を入れます。

これが天然真昆布です。

1日まで養殖ばかり見てきたので、

違いは歴然。

 

 力強い株です。

写真数枚では伝わらないかもししれませんが、

重労働です。

 

昆布に対しても、漁師さんに対しても

昆布は、だしをとるだけではなく、

使い果たさなければ、

食べ尽くさねば、

「申し訳ない」、「罰が当たる」

そんな思いに駆られました。

 

約730枚の写真を撮りました。

ブログ、続きます。

 

 

 

 

コメント
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