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今回の<天然出汁初めてさん>は、お2人。
出汁をとる前に、
いつものように出汁素材の味をたしかめます。
まずは、乾物のままの味を食べてみます。
上は、
㊧千葉九十九里浜産・煮干、
㊥北海道道南、川汲浜産・真昆布(こんぶ土居)、
㊨瀬戸内海産・いりこ(佐藤俊之商店)
(西の方では煮干をいりこと呼びます)
下は、削りかつお
㊧1本釣り漁・鹿児島産枯本節(晴海・タイコウ)
㊥1本釣り漁・鹿児島産花かつお(晴海・タイコウ)、
㊨巻網漁・焼津産花かつお(大手某社)
漁のちがいの差が味に出ます。
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「いかがですか?
まずは、削りかつお。
どれが1番おいしいですか?」
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即、初めてのお2人から
明るい声でお返事が返ってきました。
「これです!」
「わたしもこれです!」
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指さす先は、巻き網漁の削りかつお。
「え、これ?」
「はい、これです」
他の方々も「え??」
巻き網のをおいしいと選んだ方は初めてです。
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「渋味や酸味、感じない?」
「いえ」
「いつもの出汁の味なんで、なじみがあるんです」
「出汁って?」
「顆粒の・・です」
「わたしもそうです」
「母も使ってました。それで育っているんで
このかつおの、
インパクトの強い味になじみがあるんです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わ~~~!もしかしたら、
舌が麻痺してるんでしょうか?」
「いま、この3種類の削りかつおで出汁を
とるけど、そのときに味の違いがわかれば
大丈夫よ」
「わかんなかったら、どーーしよう、
緊張します(笑)」
さて、出汁とりしましょうね。
出汁のとり方には2種類あるけど、
これは煮出汁法です。
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鍋は3つ共、同じサイズの雪平鍋。
沸騰寸前で昆布を取り出し、
上記の3種の削りかつおを
1種ずつ加えて出汁をとります。
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ほら、ほら、ほらっ!
昆布がユラリと浮いてきました。
取り出してください。
はい、引き上げました。
削りかつおを加えて、布巾でこします。
自然にこすのがいいんだけど、
少し時間がかかりますから、
箸で押さえて切りましょう。
四隅をつまんで軽く1回ギュッ ・・・。
こ、こーですか?
そう、軽くギュッ、して。軽くよ。
さて、出汁が3種とれました。
3種を2回ずつ飲んでみます。
「お出汁の味、いかがですか」
「1本釣りの、この2つ、とってもおいしいです。
食べたとき物足りないと思ったこの<花くらべ>
ものすごくおいしい」と、お2人。
「最初、おいしいと思った削りかつおのは?」
「さっきおっしゃった、
渋みや酸っぱさとかがわかりました。
こんなにちがうなんて・・・」
「差がありすぎです」
「参加してよかったです」
とった1番出汁で料理します。
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若竹煮。
筍を下ゆでして、
若布は、鳴門の糸若布。
筍は、追いがつおをし、
出汁煮込みをして調味し・・・・、
煮汁が1/4くらいになったら、若布を加えて
味を含めます。
盛り付けるときに再び火にかけ温めます。
さて、ごはん。
下は、鰹節の厚削り。
先月、いりこめしを作りましたが、
いりこの替わりに厚削り。
いけそう!と思いつき、
厚削りと干し椎茸の具で炊いてみました。
厚削り、干し椎茸、大根の葉。
真昆布と花かつおの出汁で
炊いていきます。
炊けました。
いい香り~~~~。
ねこがいたら小踊りしちゃいますね。
それくらい鰹のいい香りが漂います。
大根の葉を加えて、
底の方から大きく・・・
このねこまんま、
なんていう名前にしようかな、とわたし。
<炊き込みねこまんま>にしましょう
と、Aさん。
よろしく、です。
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若竹煮、温めて盛りつけました。
お椀は、筍の先の方と三つ葉を使って、
かきたま汁。
出汁は、真昆布と枯本節「花くらべ」。
三つ葉、普通ゆでますが、
わたしはゆでません。
好きなんです、しゃきしゃき三つ葉。
春のはとくに。
「おいしそうです!」
よそったら、木の芽をそえます。
こ、これは?
削りかつおの出汁がらです。
乾煎りして、
調味して、胡麻を加えて、はい、ふりかけのできあがり。
下は、炊き込みねこまんまに使った、厚削り。
にゃんにゃ~ん~~♪
おなかがすいたので、
深夜、おむすびをつくりました。
冷めてまた、おいしいねこまんま。
ふがふが、がふがふ食べちゃいました。