毎年5月は、郡山と会津若松へ仕事で
でかけます。
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さて、郡山駅に到着後は、
広告代理店・ライトエージェンシーへ。
一服してから、今年は、
田島成晃さんのご実家へ向かいます。
庭で山菜が採れると聞き、
興味津々なのです。
ご両親の趣味は山菜採り。
その趣味が高じて、山菜を自宅の庭や畑で
育てるようになったとのこと。
しかも、おかあさんは、
畑仕事も食べることにも熱心、
と聞いたからです。。
佐藤賢二さんと3人で向かいます。、
支社長と次長、真昼間から畑見学。
余裕の会社です。
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どんなところなんだろう?
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「はいー、到着!」
「えっ、ここ?・・・・・・・・・住宅地みたいだけど」
「そう、住宅街なんですよ」
「かあちゃん、いるかな」と、田島さん。
あらら、
スタイル抜群、美しいかあちゃんです。
妻といってもおかしくありません。
「もう少し早ければよかったのに・・・
ぜんまいも終ったし、
山菜、もう、そろそろお終いなんですよ、
でも、どうぞ、どうぞ」
庭に回ると、
あら、すてき。
つつじの前はぜんまい。
もう、とうがたってますが、
はい、これがぜんまい。
東北地方では、ぜんまいの1本漬け、とか
1本煮というのがあります。
包丁を使わない、姿を生かした料理法です。
このスッと伸びやかな姿をみると、
なるほどね、と納得。
「半分は干したの」とおかあさん。
干しぜんまい、つまり乾物のぜんまい、
乾物のぜんまいはね、
滋味にあふれ、ほんとうにおいしいのです。
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たらの木。
てっぺんに、芽。
八百屋で見るのより成長してますけど、
まだ大丈夫です。
残しておいてくださったようです。
「はあ、・・・・こんなに高くなるんですか」
「もう、あれで最後です。いま、採ります」
「いえ、いえ、結構です、結構です」
おかあさん、早い。
さっと、はしごをかけてスルスルのぼり
採ってくださいました。
身のこなしも若いです。
2009年、田島家、最後のたらの芽です。
たらの芽ーーーてんぷらでいただきました。
こごみーーー胡麻和えでいただきました。
うど。ーーーてんぷらでいただきました。
ふと縁側をみると、石がごろん。
漬物石です。
都会の子は、
こういうの見ないで育っています。
田舎で育った子(わたしです)は、
こういう昔ながらの道具に反応します。
この石の大きさ見ただけで、そのお宅の
漬物量がわかります。
「重そうですねぇ」
「たくさん漬けるから。
梅は、毎年30kg漬けてるの。
あちこちで、待ってる人がいるのでね」。
30kg。
何日かに分けるにしても、大仕事です。
「らっきょうもあるし、
6~7月は忙しいですよね」
「そう。でも、漬けるの好きだし」と、にっこり。
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「梅干し、見ますか?」
「もちろん!」
わたし、もう、台所におじゃましてます。
しその香りがたまりません。
「いい香りですね、しそは?」
「もちろん畑で」。
いいなあ、刈り採ってすぐ使えるのは。
八百屋のは、店頭に並ぶまで、少なくとも
3日は経過してますから、香りが死んでます。
梅干しには、
赤漬け、白漬けの2通りがありますが、
赤漬けのおいしさは、
たっぷり使うしそがポイント。
保存する場合も、
こんな風にしそをかぶせておくと
保存性が高くなります。
(写真は、しそを外してくださったもの)
「もちろん、お味噌も、ですよね?」
「ええ、毎年」
倉庫に行くと、大きな大きな甕。
両親の祖母達を思い出しました。
小分けにしてある味噌。
「 これ、去年の」。
「甘いいいかおりですね」。
「麹、多くしてるからね」
「わたしは、西の育ちなので
麹の多い、甘めの味噌で育ちました」。
「ほら、麹のつぶつぶ見えるでしょう?
麹菌買ってきてね、麹育ててね、つくるの」
やさしく目を細め、
「毛布をかけてね・・・」と
麹の育て方を話すおかあさん。
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フラッシュをたいたので、
みその色が違います。
すみません!
びわの木に、ちいさな実がたわわ。
「実がたくさんついてますね」
「20年前に、この子が入院して・・・、
病室で、この子が食べたびわの種、
持ち帰って植えてみたの。
なんか、記念にと思って。
そしたら、こんなに実がつくようになって」
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この子・・・・・・・・・・田島さんです。
「あれ、これは?」佐藤さん。
畑のアスパラ。
わたしも初めてみました。
右は、たまねぎ、左は、にんにく。
田島さんの左の樹は、
熊本特産の文旦。
これも、
お嬢さんが食べた種から育ったもの。
数年前、
「北限の文旦」として
福島民友新聞に 掲載されたそうです。
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後ろのビニール・ハウスは、
昨日、組み立てたというお手製。
この夏のトマト用だそうです。
自分で育てたトマト、別物の味ですよね。
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おいとましてから田島さんに
「しかし、どの作物も健康そうですね」
と言ったら、
「最初はなんにも植えてなかったんだ。
ほんとになんにもなかった。
かあちゃん、何年間か熱心に
土作りしてた記憶がある。
土が肝心と、堆肥だ、石灰だと混ぜ込んで
土作りに年月をかけてさ、
土ができてから
野菜植えはじまったんだ」。
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佐藤さん、わたし「なるほど~~」
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田島光子さん、ありがとうございました。
あれですね、
光子さんは、
郡山で育った季節の山菜や野菜を愛し、
その新鮮で滋味のあふれる材料の持ち味を
どう生かし、保存していくか、
それが自然に身に付いている方。
梅干しのほかにも、らっきょう、
高田梅の白酢漬けなど、他にもいろいろ
みせていただきました。
これからは、
郡山の家庭料理として、
ぜひ、伝え残していただきたいと思いました。
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植えて、育てて、料理して・・・、
愛情あふれる、田島家の庭物語です。
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おみそ、梅干し、高田梅、おいしくいただいてます。
ありがとうございました。
また、おじゃまさせてくださいね。
社にもどって、
次は、 谷田川みゆきさんの車で
JA須賀川の「はたけんぼ」へ。
大好きな場所です。
ここには、生産者自らが持ち込む地元野菜
の他、苗売り場があります。
ここ「はたけんぼ」では、
たくさんのご親切に出会いました。
苗の見方をおしえていただいたり、
漬物名人(和田京子さん)の方に、
漬物を送っていただいたこともあります。
和田京子さん、お元気でしょうか?
その和田さんの、
4日間煮続けたいちじくの蜜煮も絶品でした。
その蜜煮のおいしさと言ったら・・・。
現在、能登の珠洲でパティシェをしている
二三味さんにおすそわけし、
パウンドケーキを作ってもらい、
また和田さんにお送りし、
喜んでいただいたこともありました。
豊かな県民性なのか、
わたしの出会った福島の人は、ほんとにやさしい。
そして、即、実行です。
「いつか」は、ありません。
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夜、昨年と同じ干物の「一扇」へ。
佐藤賢二さん、田島成晃さん、
料理は、長くなるので割愛。
いろいろいただきました。
2009年5月、記念撮影です。
右は、 仙台支社から転勤の森彰一郎さん。
わたしの右は、昨年同様、
撮影後、またまた夜10時ごろ現れた
羽籐洋子ちゃんが参席。
またまた遅くなりました。
明朝は、会津若松です。
構えた写真は嘘っぽいからすきじゃないの。あの写真、谷田川さんの人柄の良さが写ってる、いい写真ですよ。翌日の会津のわたし、すっぴんです。メーク道具、ダンボールに入れたままホテル入りしたのでした。もうね、自然が一番。また写してあげる(笑)。