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引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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⑦真昆布の産地をたずねて。2015年7月30~8月4日

2015年08月14日 | 出汁素材の産地をたずねて

 

川汲浜で、天日干し風景に

出会いました。

もう、天然昆布の漁期は終了しているので

多分、浜に打ち寄せられた

天然昆布の、拾い昆布でしょう。

70~75歳位?の方。

いい香りです。

「こんにちは」と挨拶したら、

顔も見ず、

手を休めず

「何しにきたんだ?」

「昆布漁見にきました」

「なんのために?」

「料理の仕事してまして、

いつも

南茅部の昆布でだしをとってます。

どんな風に製造されてるか

昆布の研究にきたの」

「大阪からか?」

「いえ、東京から」

 

*真昆布の最大集散地は大阪。

毎年、天然昆布漁シーズンには

大阪から多数の業者が集まって

くるのだそうです。

 

来年の漁のためか、

鎌の刃を研ぎ、

ねじを棒に止めていきます。

ただ、ネジを何度はめても

カチッと止まりません。

独り言のように

わたしに語りかけます。

 

「鎌が鉄だから、鉄のネジが合う。

だけど、今、ステンレスのネジ

しかない。

鉄とステンレスの組み合わせは

どうしても鉄が負ける。

ステンレスが勝つ。

このままステンレスのネジをはめる

と、いつか、鎌の方がダメになる」

 

このままブルースの

詞になりますね。

 

グラついてるけど、

ステンレスのネジをはめたら

よっこらしょっと立ち上がり

「昆布干す部屋、見るか?」

「見せてください」

 

昆布は天井から吊るして

「この丸いところから、温風が出る」

両サイドには扇風機。

殆どの場合、温風機と扇風機を

同時稼働で乾燥しています。

2股に分かれてる採取道具「マッカ」

「この白いの、何かわかるか」

[コケムシ(苔虫)ですか」

「そだ」

「まだ少ないけども、これから

出てくる」

 

コケ虫は、お盆過ぎから出てくると聞いてます。

ちょっと、

と言って2階に上がり、

「これ、だしがでる」と

お菓子袋に入った昆布を

差し出されました。

いえ、いえ、とんでもない、と

お断りしたら、

「いいだしがでる」と

グッと差し出され

有り難く頂戴しました。

 

尾札部の方に行き、帰りに

バスから姿を探したら、

かがんで昆布を裏返していました。

1枚1枚ですから手間がかかります。

 

バスの中で袋を開けて

齧ってみたら、天然真昆布特有の

甘い味がひろがりました。

すごくおいしい。

寝かせた年数を聞いたのですが、

訛りが強く、

はっきり聞き取れませんでした。

おそらく2年だったのでしょう。

数字は、指を使えばよかったと反省。

今、家で

食後のお茶菓子がわりに

昆布を齧っていますが、

お世辞ぬきでおいしい。

 

もしかしたら、

天然昆布、天日干しにこだわりのある方

なのかもしれません。

いろいろ伺いたかったのですが、

年配の方は

訛りが強く聞き取りが困難です。

(青森弁とこの土地の訛りが

ミックスされているとか)

言葉に慣れたら昔の海のこと、漁のこと

時間があれば、いろいろ

聞き出せるのかもしれません。

 

今になって

そんなこと、思いました。

 *尚、念のために一言。

昆布は個人的な売買は

組合で禁止されてますし、

拾い昆布も漁業権のある人

のみと决められています。

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