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山梨で初めての出張だしとり教室です。
教室の場所は、「油屋八ヶ岳」さん。
山梨県北杜市須玉町下津金にある
ギャラリー&暮らしの提案スペースです。
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新宿からあずさに乗って甲府へ。
甲府からは中央線に乗り換え,
2時間50分で長坂駅に到着。
白いのは凍った残雪.
風もあり、半端な寒さではありません。
出迎えてくれたのは、店主石川治子さん。
出会いは25年前。
わたしは教室を主宰する前は、1人で
ケイタリングサービスをしていましたが、
その最初の機会をつくってくれたのは、
当時、フリーで住宅展示場の広報の
仕事に携わっていた石川さん。
「和食のパーティ料理でおもてなし」という
コンセプトで顧客に暮らし方の提案をしたい
と誘われたのでした。
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その後、石川さんは仙川でおしゃれなお花屋
<a la place ア・ラ・プラス>をスタートし、
以来、住居、造園、フラワーアレンジメント、
苔玉づくりなど、一貫して暮らし方にこだわり
都内で数々の発表の場を増やし、暮らしの提案を
し続けてきました。
お互いに多忙になり、ほとんど会う機会がありま
せんでしたが、10年くらい前に
「実は、山梨に移住したくて本気で候補地をさが
してる」と聞いたとき、単なる思い付きだろう、
まさか実現するなんて夢にも思いませんでした。
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ところがどっこい。
着々と準備をし、通いで田んぼを耕し、
米作りをし、ぶどうを育て、昨年本格的に東京
から移住してきました。
60歳を過ぎてのスタートです。
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「駅の隣は直売所、のぞいていくでしょ」
長坂駅前農産物直売所に向かいます。
あれこれ物色していると
「今、ぬいてきた、新鮮、新鮮!」
山梨県立農業大学の先生たちが葉物野菜を
抱えてやってきました
「ぷきぷきしてるね」
「うん、ほんと」
「この小松菜買ってこ。辛子醤油和えにつかうわ」。
「あ、いいね。地のものをつかいたいから」
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北杜市の地図で、油屋の位置を説明する石川さん。
「んでね、こっちに行くと長野になるの」
「じゃ、出発!」
駅前に駐車していた小さなポンコツ車に
並んで乗車し、油屋に向かいます。
「この車、なんかスースーするね」
「うん、冬は冷房完備してる」
「時速何キロ?」
「20キロ(笑)、30キロかな」
景色がゆっくりゆっくり動きます。
のどかな風景にこの速度が似合います。
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「あ、見て、左が八ヶ岳」
「右は富士山」
新幹線から見るのとは異なり、
ビルの見えない風景にそびえる富士山。
崇高なたたずまいに、しばし見惚れます。
近景は山梨の里。
この景色は、料理の盛り付けのきほんです。
廃校利用の産直市場「おいしい学校」が見えたら
右へ曲がれば油屋。
建物の裏は、広々とした畑兼庭。
庭には、5羽のにわとりを飼っています。
挨拶をしたら、クイっと振り返り「誰?」
1日3個産むそうです。
おすしの錦糸玉子。
今回はこの子たちの卵をつかいます。
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上記ちらしは、石川さんが甲府のパソコン教室で
習って作成したもの。
「すごいね」
「先生に教わりながら作ったの(笑)」
過疎な村から発信していくには大切な
ツールです。
明日は15名の方が参加されるとか。
たった1年なのに「人徳」で太い根を張った
石川さん。
応援してくださるところに、このちらしを
置かせていただいたそうです。