引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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小学校5年生のだし取りとめんつゆ教室 NO.2 調理室で。

2010年10月12日 | いんどうさち出張・だしとり教室

.

調理室には6台の調理台があり、生徒36人は、

6人づつの班に分かれて実習します。

<実習内容>

1,だし素材の味見、

2,だしを取る(関西風うどん用)

3.取っただしに調味し、めんつゆをつくる。

4,関西風かけうどんをつくる

.

講習時間は、1時間20分。

時間に余裕がないので、話はちょっぴりで切り上げ、

だしの取り方の流れを説明します。

*だしの取り方は、子どもたちが覚えやすく、家庭でも

気軽に取れるよう考案しました。

.

めんつゆ用のだし素材の味見と

子どもたちの反応

めんつゆ用のだし素材3種を,ボウルに入れて

6班に配ります。

食べやすくカットしたこんぶ、花かつお、煮干

初めて見る子が多いのでしょうか。

「なに、このちっこい魚」

「黒いのなに?」

「こんぶだよ」

「えー、これ、食えるの?」

感じたことを素直に口に出す子どもたち、

とってもにぎやかです。

.

調理場は、広いので、紙を丸めてメガホンにし、叫びます。

「いま配った3種類の材料でだしを取ります。

こんぶとかつお節はそのままでいいのですが、

煮干は、頭とはらわたを取りまーす。

いい?

こらこら!聞いてる?

煮干は、これより(小羽と中羽の中間)小さいのは、

そのままつかいますが、この大きさだと、

頭とはらわたを取ってつかいます。

頭とはらわたの取り方、いま、やりますよ。

おぼえてください」。

2回でマスターしてくれました。

「こんぶ、かつお節、煮干し、味見してください」

ほとんどの子にとって初めてのだし素材、どんな反応であれ、

楽しみでした。

子どもたちは、いえ、男の子たちは、

「うめーーー!」「おいしーー!」と、大きな声で騒ぎます。

「もっと、食べたーーい!」

なんて声も聞こえます。

.

ところで、

「なに?このちっこいさかな」「これ、食えるの?」と言ってた子の

ことが気になりました。

ここで質問します。

「おかあさんがだしを取ってる人、手をあげて」

4人でした。

36人中4人です。

36-4=32

うーーーん、

今日のだし取りで、このクラスの子どもたちの家庭の食事

変えたいものです。だし素材には、成長過程に必要な栄養素

ミネラルがたっぷり。だしをつかった料理は、子どもの心と

身体に大きく影響します。

.

だし取り教室スタート!

素材を食べて、あんなにおいしいと言っていた子どもたち、

だしを飲んだら、どんな反応するのかしら?

楽しみにしながら、わたしの実習に移ります。

紙を丸めたメガホンで、

「では、はじめまーす、みんな集まって」

そう言って、昆布と煮干しを入れた鍋を火にかけると、

子ども達、ドドっと集まってきます。

3分くらい経過して、

甘いこんぶにくるまれた煮干しの香りが漂いはじめたら、

鍋を囲む子どもたちの輪が重なり始めます。

鍋の上にかぶさり、香りをかぐ子、

「いいにおい~~~~~!」

手で香りを集めている子、

「うまそ~~~ぉぉ~~っ」

「早く飲みて~~~、ね、いま、飲んじゃダメ?」

思い思いの仕草や言葉で、「おいしさ」を表現します。

.

1人の男の子は、目をきらきらさせて

鍋のなかの泳ぐ煮干しを指さし、

「ね、お願い!このさかな、一匹でいいから食べさせて!」

「だし取り中だから、だめ」

「こんなにいっぱい、いるじゃない?1匹だけ、ね、ね、ね!」

このあと、かつお節を加えたら、

子どもたちの

「うまそーーーーぉぉぉ!」の声は、最高潮に。

「だしの取り方、わかった?」

「は~~い」

「かんたんじゃん」という声も聞こえます(笑)。

.

だし取りをしたコンロのそばには、で

だしを取ったあとの、だしがら。

「ね、ね、これ、どうすんの?捨てちゃうの?」

「ふりかけとか佃煮とか、いろいろつくれるのよ」

「どんな味がするんだろう」と、

かつお節や煮干のだしがらをつまむ子たち。

「おれ、昆布、食べてみる」とかじる子。

未知の味への好奇心・挑戦は、男の子ならでは。

それと共に、W小学校が食に関心の高い学校というのが

よくわかります。

.

いよいよ、子どもたちの実習スタート!

1リットルのだしが取りやすい18cmの鍋などのだし取り

用道具、材料の、こんぶ、花かつお、煮干しをそろえて、

各班に取りにきてもらいます。

.

花かつおは、散らかるので、ビニール袋に入れて渡します。

袋に手を入れ「ね、これ、少し、食べていい?」

「だし用にちゃんと計ってあるんだからだめ!」

男の子は、率直で本当に愉快です。

だし取り、子どもたち、たった1回の講習で、できるかしら、と

ちょっぴり心配しながら各班を見回りましたが、

初めてなのに、すごく飲み込みが早い。

男の子たちも、あんなに騒いでたのに、しっかりだし取りを

しています。

アク取りもていねい。

うしろからのぞくと、聞こえる真剣な声。

「ほら! こんぶは浮きあがったら出すんだよ」

「こんぶのあと、煮干は弱火で5分煮るんだよ」

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布巾の四方をつまんで、こし取るところです。

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女の子たちは、男の子と比較するとちょっぴりお姉さん。

講習中も静かに見ていましたが、落ち着いて作業をすすめて

います。

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できた!、

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おっ、飛び込んできた、Vサイン。

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なにか、メモを見て確認してるようです。

学園祭に向けて、地道に学習している感じ。

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<無添加の素材はおいしい>

全員だし取りを終え、めんつゆをつくったあとのこと。

36人分のだしを取る大鍋に煮干しを空けようとしていたら、

男の子たちが「あ!ちょうだい、ちょうだい」と集まってきました。

最初の味見で、やみつきになったようです。

食べること、食べること・・・すごい勢い。、

両手でつかみ取りする子もいたりして、すごい人気。

ほんの3分ぐらいでしたが、あっという間に約150gの

煮干しが消えました。

添加物のうまみをまぶしたスナック菓子、あんなに夢中に

なって食べるでしょうか?

煮干は、無添加のカルシューム。

子どもたちの身体が求めている、と確信しました。

子どもたちのお母さんに、ぜひ見ていただきたい光景でした。

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シャッターチャンス遅し。

もっともっと、たくさんの子がいたのですが。

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各人、家から持ってきたお椀。

稲庭うどんをゆでてよそい、めんつゆをかけ、青ねぎをのせて

できあがり。

「おいし~~~~!」「うめ~~~~!」、

あちこちの班から、聞こえてきます。

その子どもたちの声の元気で明るいこと、明るいこと。

.

「だし、すごいぞ!!」

わたしは、胸の中で、ガッツ・ポーズをしました。

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時間は、12時10分。うどんを食べ終えたら、お弁当の時間。

めんつゆをおかわりしながらお弁当を食べます。

エプロンの方は、担任の杉見朝香先生です。

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終了後は、全員で、あっという間に片付けます。

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片付けを始める前に、36人、1人1人の子どもたちが

「ありがとうございました」、「おいしかったです」、

「また来てください」とそれぞれの言葉で、挨拶し、

片付けて退出。

その日の先生のメールには、

「子どもたちが感想文を書きましたので、お渡しします」、

とありました。

.

次回は、感想文へと続きます。

おいしいうどん作りのために、だしに取り組んだことが

よくわかる、ひたむきな姿勢がすてきな内容です。

そのうち。

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だし取り教室ご案内

だし取り12ヶ月

10月のテーマは、こんぶと煮干し

こんぶだけ、煮干だけの,だし

それぞれ味わいはあるけれど、

こんぶと煮干、合わせただしは、

旨み以外にびっくりが。

だしで、料理でおたのしみください。

10月23日(土)3時~7時

講習料・5000円(伊吹島産煮干を提供していただいたため)

お申し込みは

indou@yacht.ocn.ne.jp

コメント (3)
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