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これからの時代、なにが必要といって、なにより
身につけておきたいのは、食べ物の保存法です。
わざわざ書くまでもありませんが、大きく分けると、
乾燥させて、乾物。塩漬けして漬物ですね。。
なかでも、切干大根は、乾燥野菜の代表的なもの。
寒中の太陽と風があれば、作れます。
わたしは、何度も作っています。
ただ、作れば作るほど、もっといいものをと望むの
が人情。疑問点も出てくるわけです。
そこを知りたくて、おいしい切干の生産者の方を訪
ねたいと思っていました。
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今回、お訪ねした関根さんの切干大根です。
昨年のクリスマスのころにお送りいただきました。
「昨日の、作りたてです」と。
写真は、少し白っぽく写っていますが、美しい
生成り色です。
なんとも言えないすっきりとした甘い香り、
材料の大根は、青首大根です。
即、油揚と煮ました。
小丼鉢いっぱい作ったのですが、
おいしくて写真撮るの忘れてました。
これ、残りものです。
しかし、すごいと思いませんか。
たった数日乾燥するだけで、生のときとは全く違う
香りや旨味、歯ざわりが生れます。
栄養的には、カルシューム、ビタミンB群、ミネラル
などの栄養価が高まり、食物繊維も豊富に含む
食材になるんですから。
さて、13日は郡山で前泊。
出発時は粉雪が舞っていました。
しかし、水郡線(水戸=郡山間の電車)に乗り、
48分後、磐木石川駅に到着したときには、
雲ひとつない晴天に。
すごい!!ネットの天気予報。
駅では、関根さんのお出迎えを受け(汗)、
助手席に乗車。
「まず、平田村の道の駅に行きましょう。
いつも切干、置いてるところです」。
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もともと大根の栽培の好適地は、冷涼な土地。
平田村の農家では大根の栽培量が多く、関根さ
んのお宅も、代々、余った大根は自家用に切干し
大根や凍み大根、漬物に加工して貯蔵、保存し
てきたそうです。
しかし、昨年7月、<道の駅ひらた>開設により、
売れる場を得、観光や、里帰りなどで、一般の方
の目にも触れるようになり、次第に需要が増え、
平田村の農家全体の活性化につながり始めま
した。
「年末の里帰りのシーズンは、切干の棚、空っぽ
になっちゃって」と関根さん。
味を知ってる方は、懐かしいでしょうねえ。
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阿武隈高原「蓬田岳」の寒風の吹きおろしで
干される切干大根。
「吹きおろし」って風も体験しなくちゃ、です。
小さな胸に期待感いっぱいです。
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<道の駅、ひらた>には約40分で到着。
早速、棚に行くと、
あら、関根さんの切干、ありません。
レジの方「関根さんのはね、置いたらすーぐ
なくなるの。
おいしいの、わかってるから。すぐ売れる。
いつも品切れ状態」
切干大根を置きにきた三本松典子さん。
約30品目の野菜を栽培している方です。
「今日はレタスも運んできました」
「今回の切干は、関根さんに作り方、教えてもら
ってつくってみたんです」
<道の駅ひらた>併設の食堂です。
右の方が、関根克彦さん。
左の方は、平田村産業課・三本松利政さん。
上の写真の典子さんのご主人。
関根さんをご紹介くださった恩人です。
<道の駅ひらた>駅長の高野哲也さん
おそばを、ごちそうしていただきました。
たぬきそば。
おそばもつゆも、とっても洗練されたおいしさ。
「関根さん!おそばもつゆも、おいしいですね!」
「(笑)そうですか。うちのそば粉も入ってます。
ここのそば、材料は、100パーセント平田村で
収穫したそば粉です。
そばを栽培してる農家は、そば粉をこの食堂に
持ち込んでます。それを、あの厨房の彼が、旨
く作ってくれてるんです。
さて、いよいよ関根さんのお宅に向かいます。
さらに約20分、車で走ります。途中関根さんの
アスパラのビニール・ハウスなどの畑を眺めな
がら走ります。
「アスパラ、こんな風にして栽培するんですかぁ。
きれいな畑・・・・草1本もないですね」。
「除草剤まいたら土がやられちゃうからね、
手間だけどね、手でぬいて」
「ハウスの後ろの丸い穴、見えるかな。
アスパラのために井戸掘ったんですよ」
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お宅に到着後、
居間のこたつでお話しを伺います。
奥さんの操さんが、次々、自家製のお漬物を
よそって歓迎してくださいます。
その一品一品のおいしいこと。
塩気をおさえ、上手に酢を使ったりした、
大根なら大根の素材の味が味わえるお漬物。
一品、一品、味が全部ちがうので、飽きません。
さて、切干大根。
わたしの勝手な申し出に、わざわざ作る過程を
見せてくださいました。
材料は、青首大根です。
泥を落として、
皮をむきます。
この大根は、約25cm長さ。
よく見る青首大根よりも少し短かく、上下を切り
落とし、半分に切ると、約10cm×2本になります。
大根突きという「突き器」でせん切りします。
大根の繊維にそって、
長さ約10cm×3mm~5mmに突きます。
少し斜めに持って、まっすぐ突きます。
「手を切らないよう、手袋をする方がいいですよ」
とのこと。
お手製の干し網です。
なるほど・・・・。
切干大根、作ったことのある方はおわかりで
しょうが、ザルでは風がぬけないんですよ。
干し網、作ろうかな。
なるべく重ならないように、広げていきます。
写真では感じませんが、冷たい風が吹き上げて
きています。
さ、また一服しましょう。
「あ、干し柿、食べますか?」
「え、あ、大好きです!」
頭の後ろででは、「遠慮しなさい」と指令がきている。
が、
その場で、がぶっ。
「んぁ・・・・・おいひーれすねぇ・・・・」
じゃ、少し持って行きますか。
「あ、結構です、結構です、そんな、そんな・・・・・、
うれしいです!」
このあと、福島民報の記者さんが来宅。
お漬物をいただきながら、
関根さん夫妻と3人で、インタビューを受けました。
1月16日(土) 付けの掲載誌です。
このとき午後3時。
撮影のため、再び外に出たときの寒さ、冷凍庫に
入ったようでした。
関根さんのお話
「さっきより寒いよ。太陽も風も必要だけど、
この気温差もおいしい切干の大切な条件」
厳寒期の12月~2月末、週間天気予報で4~5
日位晴れの日が続く時を選び、大根を抜いて作
るとのことでした。
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下は、凍み大根。
福島の特産品です。
こちらは、じっくりと時間をかけて戸外で凍みらせ
て作ります。煮汁がじゅわっとしみて、おいしいの
です。
凍み大根といえば、2年前、全国農業新聞
に掲載されていた記事を思い出します。秋田県横
手市の老人ホームでこの凍み大根の煮物の料理
を献立に組みこんだところ、入居者のみなさんから
とっても喜ばれたという内容でした。
伝統食品は、作り方も料理法も、土地の宝。
若い人に引き継がれていくといいですね。
このあと、少ししてまた続けます。
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