引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

石川郡平田村の切干名人。

2010年01月19日 | 乾物!乾物!乾物!

.

これからの時代、なにが必要といって、なにより

身につけておきたいのは、食べ物の保存法です。

わざわざ書くまでもありませんが、大きく分けると、

乾燥させて、乾物。塩漬けして漬物ですね。。

なかでも、切干大根は、乾燥野菜の代表的なもの。

寒中の太陽と風があれば、作れます。

わたしは、何度も作っています。

ただ、作れば作るほど、もっといいものをと望むの

が人情。疑問点も出てくるわけです。

そこを知りたくて、おいしい切干の生産者の方を訪

ねたいと思っていました。

.

今回、お訪ねした関根さんの切干大根です。

昨年のクリスマスのころにお送りいただきました。

「昨日の、作りたてです」と。

写真は、少し白っぽく写っていますが、美しい

生成り色です。

なんとも言えないすっきりとした甘い香り、

材料の大根は、青首大根です。

Img_2146

即、油揚と煮ました。

小丼鉢いっぱい作ったのですが、

おいしくて写真撮るの忘れてました。

これ、残りものです。

しかし、すごいと思いませんか。

たった数日乾燥するだけで、生のときとは全く違う

香りや旨味、歯ざわりが生れます。

栄養的には、カルシューム、ビタミンB群、ミネラル

などの栄養価が高まり、食物繊維も豊富に含む

食材になるんですから。

Img_2552_2

さて、13日は郡山で前泊。

出発時は粉雪が舞っていました。

しかし、水郡線(水戸=郡山間の電車)に乗り、

48分後、磐木石川駅に到着したときには、

雲ひとつない晴天に。

すごい!!ネットの天気予報。

Img_2486_2

駅では、関根さんのお出迎えを受け(汗)、

助手席に乗車。

「まず、平田村の道の駅に行きましょう。

いつも切干、置いてるところです」。

もともと大根の栽培の好適地は、冷涼な土地。

平田村の農家では大根の栽培量が多く、関根さ

んのお宅も、代々、余った大根は自家用に切干し

大根や凍み大根、漬物に加工して貯蔵、保存し

てきたそうです。

しかし、昨年7月、<道の駅ひらた>開設により、

売れる場を得、観光や、里帰りなどで、一般の方

の目にも触れるようになり、次第に需要が増え、

平田村の農家全体の活性化につながり始めま

した。

「年末の里帰りのシーズンは、切干の棚、空っぽ

になっちゃって」と関根さん。

味を知ってる方は、懐かしいでしょうねえ。

.

阿武隈高原「蓬田岳」の寒風の吹きおろしで

干される切干大根。

「吹きおろし」って風も体験しなくちゃ、です。

小さな胸に期待感いっぱいです。

.

<道の駅、ひらた>には約40分で到着。

早速、棚に行くと、

あら、関根さんの切干、ありません。

レジの方「関根さんのはね、置いたらすーぐ

なくなるの。

おいしいの、わかってるから。すぐ売れる。

いつも品切れ状態」

Img_2489_2

切干大根を置きにきた三本松典子さん。

約30品目の野菜を栽培している方です。

「今日はレタスも運んできました」

Img_2495_4

「今回の切干は、関根さんに作り方、教えてもら

ってつくってみたんです」

Img_2496_3

<道の駅ひらた>併設の食堂です。

右の方が、関根克彦さん。

左の方は、平田村産業課・三本松利政さん。

上の写真の典子さんのご主人。

関根さんをご紹介くださった恩人です。

Img_2497_3

<道の駅ひらた>駅長の高野哲也さん

Img_2498_3

おそばを、ごちそうしていただきました。

Img_2501

たぬきそば。

おそばもつゆも、とっても洗練されたおいしさ。

「関根さん!おそばもつゆも、おいしいですね!」

「(笑)そうですか。うちのそば粉も入ってます。

ここのそば、材料は、100パーセント平田村で

収穫したそば粉です。

そばを栽培してる農家は、そば粉をこの食堂に

持ち込んでます。それを、あの厨房の彼が、旨

く作ってくれてるんです。

Img_2500

さて、いよいよ関根さんのお宅に向かいます。

さらに約20分、車で走ります。途中関根さんの

アスパラのビニール・ハウスなどの畑を眺めな

がら走ります。

「アスパラ、こんな風にして栽培するんですかぁ。

きれいな畑・・・・草1本もないですね」。

「除草剤まいたら土がやられちゃうからね、

手間だけどね、手でぬいて」

「ハウスの後ろの丸い穴、見えるかな。

アスパラのために井戸掘ったんですよ」

.

お宅に到着後、

居間のこたつでお話しを伺います。

奥さんの操さんが、次々、自家製のお漬物を

よそって歓迎してくださいます。

その一品一品のおいしいこと。

塩気をおさえ、上手に酢を使ったりした、

大根なら大根の素材の味が味わえるお漬物。

Img_2502

Img_2503

Img_2506

Img_2507

一品、一品、味が全部ちがうので、飽きません。

Img_2509_2

さて、切干大根。

わたしの勝手な申し出に、わざわざ作る過程を

見せてくださいました。

材料は、青首大根です。

泥を落として、

Img_2518_4

皮をむきます。

Img_2520

この大根は、約25cm長さ。

よく見る青首大根よりも少し短かく、上下を切り

落とし、半分に切ると、約10cm×2本になります。

Img_2514

大根突きという「突き器」でせん切りします。

大根の繊維にそって、

長さ約10cm×3mm~5mmに突きます。

Img_2516

少し斜めに持って、まっすぐ突きます。

Img_2517

「手を切らないよう、手袋をする方がいいですよ」

とのこと。

Img_2521

お手製の干し網です。

なるほど・・・・。

切干大根、作ったことのある方はおわかりで

しょうが、ザルでは風がぬけないんですよ。

干し網、作ろうかな。

Img_2534

なるべく重ならないように、広げていきます。

写真では感じませんが、冷たい風が吹き上げて

きています。

Img_2528_4

さ、また一服しましょう。

「あ、干し柿、食べますか?」

「え、あ、大好きです!」

頭の後ろででは、「遠慮しなさい」と指令がきている。

Img_2535

が、

その場で、がぶっ。

「んぁ・・・・・おいひーれすねぇ・・・・」

Img_2536_3

じゃ、少し持って行きますか。

「あ、結構です、結構です、そんな、そんな・・・・・、

うれしいです!」

Img_2537

このあと、福島民報の記者さんが来宅。

お漬物をいただきながら、

関根さん夫妻と3人で、インタビューを受けました。

1月16日(土) 付けの掲載誌です。

Img_2692

このとき午後3時。

撮影のため、再び外に出たときの寒さ、冷凍庫に

入ったようでした。

関根さんのお話

「さっきより寒いよ。太陽も風も必要だけど、

この気温差もおいしい切干の大切な条件」

厳寒期の12月~2月末、週間天気予報で4~5

日位晴れの日が続く時を選び、大根を抜いて作

るとのことでした。

.

下は、凍み大根。

福島の特産品です。

こちらは、じっくりと時間をかけて戸外で凍みらせ

て作ります。煮汁がじゅわっとしみて、おいしいの

です。

凍み大根といえば、2年前、全国農業新聞

に掲載されていた記事を思い出します。秋田県横

手市の老人ホームでこの凍み大根の煮物の料理

を献立に組みこんだところ、入居者のみなさんから

とっても喜ばれたという内容でした。

伝統食品は、作り方も料理法も、土地の宝。

若い人に引き継がれていくといいですね。

Img_2511

このあと、少ししてまた続けます。

.

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2010年初旅は、郡山。 | トップ | 引頭佐知(いんどうさち)日... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

乾物!乾物!乾物!」カテゴリの最新記事