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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

水平社創立100年 人間の尊厳を求めて③ 人権・民主主義根付く社会へ

2022-03-10 07:12:23 | 政治・社会問題について
水平社創立100年 人間の尊厳を求めて③ 人権・民主主義根付く社会へ
全国地域人権運動総連合代表委員 丹波正史さんに聞く

「全解連」は部落問題解決の到達点を踏まえ、2004年に「全国地域人権運動総連合」(全国人権連)に発展的転換をしました。



全解連を発展的転換した全国人権連の創立大会=2004年4月4日、東京都千代田区

内外の障壁打破
「地域社会で人権と民主主義、住民自治の確立をはかる多様な住民運動を包含する恒常的な全国組織」として出発。部落解放運動の歴史課題を含めながら地域社会を土台に、差別や人権の問題に積極的に挑戦し、部落内外の障壁を打破していく道を歩んでいます。
部落内外の旧身分にかかわる障壁は基本的に瓦解(がかい)しましたが、一部に古い意識のとりこになっている人や新しい差別主義など、地域的・部分的に障壁が残存したり新しく構築されており、この間題を解決していくことは人権連運動の独自課題です。
また「人権条例」と称して部落差別の固定化や乱脈行政の継続をもくろむ動きも軽視できません。
さらに旧同和地区では、公営住宅の建て替えや空き家問題、超高齢化の進行など課題が山積しており、活力ある融合型の地域づくりが都市部で強く求められています。
地域人権運動の展望として、地域社会を土台に人権問題に焦点を当て、貧困・格差、高齢化・単身化、外国人の3点に絞って課題を挙げておきます。
①新自由主義による雇用上の構造的差別が不安的就労・非正規雇用を増加させ、貧困と無権利状態のまん延で人間の尊厳が踏みにじられ地域社会の活力を奪い去っており、安定した雇用をつくりだし、人間らしく働き生きることができる社会の構築が求められる。
②超高齢化と単身世帯増によって生活要求の多様性と切迫性が課題となっており、これに応える社会システムの構築と人間らしい生活を営める地域社会の実現が急務である。
③在日外国人の急増を背景に人種・民族の違いによる分断・排除・不平等が横行しており、多様性を認め合い、人間の尊厳を柱にした社会の構築が必要になっている。
こうした諸課題に挑戦することは人権連運動の真骨頂ですが、こうした課題をただそうとする労働者・市民などの動きも各地で力強く広がっています。

人間解放の願い
水平社の創立者たちは、差別・貧困に卑下せず、人間的自覚を高め差別意識を払拭(ふっしょく)し、人間として水平線上に立ち人間相互が尊敬し合い、差別がなくなり、蔑視されず、侮辱もない、お互いがいがみ合わない、温かい社会の実現を望みました。これは部落差別だけにとどまらない、人間解放への崇高な願いでもあります。
全国水平社創立100周年を機に、すべての人々の人権が尊重され、民主主義が根付いた、平和な社会の実現をめざし、地域から新たな連帯とたたかいの輪を広げていくことが求められています。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年3月9日付掲載


部落内外の旧身分にかかわる障壁は基本的に瓦解(がかい)しましたが、一部に古い意識のとりこになっている人や新しい差別主義など、地域的・部分的に障壁が残存したり新しく構築されており、この間題を解決していくことは人権連運動の独自課題。
水平社の創立者たちは、差別・貧困に卑下せず、人間的自覚を高め差別意識を払拭(ふっしょく)し、人間として水平線上に立ち人間相互が尊敬し合い、差別がなくなり、蔑視されず、侮辱もない、お互いがいがみ合わない、温かい社会の実現を望みました。これは部落差別だけにとどまらない、人間解放への崇高な願い。
ジェンダー差別、正規雇用と非正規雇用の差別、技能実習生や入管による差別的待遇。
まだまだ、解決すべき課題があります。
コメント
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