2013年度予算案の焦点⑤ 文教 全学年35人学級見送り
2013年度の文教関係予算案は4兆661億円で、12年度比297億円(0・7%)減となりました。

「学費を無償にして」と訴えてパレードする高校生、大学生=2012年12月24日、東京都渋谷区
「教育再生」を掲げる安倍政権ですが、文部科学省が13年度から5年間で小中学校全学年の35人学級をめざしていた教職員定数改善計画を見送りました。政権交代後の概算要求で計画の初年度分として5200人増を要求しましたが、予算案には少子化分との差し引きで800人増しか盛り込みませんでした。
4月に4年ぶりにすべての公立小中学校を対象とする全国学力テストが行われます。14年度も全校で行う準備の予算も含めて12年度比15億円増の54億円を盛り込みました。教育条件整備を抑える一方で、教育に競争や序列化を持ち込むとして批判が高まっています。
民主党政権では文科省のホームページ掲載だけだった「心のノート」を全員に配布。内容を改訂するなど12年度比2億円増の8億円を計上しました。

高校授業料無償化は3950億円を計上し13年度は維持しましたが、14年度以降の所得制限導入を検討するため調査費1000万円を計上。自公民3党は11年に見直しで合意しています。
大学運営費交付金は12年度比574億円(5・1%)減です。04年の法人化以降毎年削減されてきました。今回の大幅減は、国家公務員給与の臨時引き下げに合わせろという野田内閣時代の不当な「要請」によるものです。私立大学への経常費補助も12年度比12億円減額されています。基盤的経費である運営費交付金の削減は大学をいっそう疲弊させるものです。
大学奨学金は貸与人員を増員してはいますが、有利子に比べ無利子の貸与が少なく、高等教育の漸進的無償化という国際人権規約の留保撤回にふさわしい前進がみられたとはいえません。無利子奨学金の財源となっているのはおもに政府貸付金と返還金です。返還金が12年度比7・6%増に対し政府貸付金は5・2%減です。
入学前に経済的見通しが持てるよう、あらかじめ申し込み、4月から奨学金を受けられる無利子の「予約採用」枠を約1万3000人増やしました。学生たちが自分たちの実態に基づいて文科省に要求してきたことが一部実現しました。
公立学校の耐震化には12年度比25億円増の603億円、復興特別会計には12年度と同額の667億円を計上しています。
13年度予算事業完了後の耐震化率は12年4月の84・8%から約94%に上がる見込みです。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年2月20日付掲載
無利子の奨学金の「予約採用枠」がわずかながら増えたことは、かねてから学生団体や民青同盟や共産党の党支部などが政府に申し入れきた事の一部が実現したことで、画期的です。
官僚側の文科省でさえ、小学中学の全学年で35人学級を保障するだけの教職員の定員増を求めていたのですが、認められませんでした。
学年ごとに定員が変わることは、学級編成などにも支障をきたすことになります。
1学年110人の場合、40人学級なら3クラス、35人学級なら4クラスになります。学年でクラス替えはあるとしても、110人が1年生から6年生まで続くわけで、学年ごとにクラス数が変わるってのは不自然ですね。
2013年度の文教関係予算案は4兆661億円で、12年度比297億円(0・7%)減となりました。

「学費を無償にして」と訴えてパレードする高校生、大学生=2012年12月24日、東京都渋谷区
「教育再生」を掲げる安倍政権ですが、文部科学省が13年度から5年間で小中学校全学年の35人学級をめざしていた教職員定数改善計画を見送りました。政権交代後の概算要求で計画の初年度分として5200人増を要求しましたが、予算案には少子化分との差し引きで800人増しか盛り込みませんでした。
4月に4年ぶりにすべての公立小中学校を対象とする全国学力テストが行われます。14年度も全校で行う準備の予算も含めて12年度比15億円増の54億円を盛り込みました。教育条件整備を抑える一方で、教育に競争や序列化を持ち込むとして批判が高まっています。
民主党政権では文科省のホームページ掲載だけだった「心のノート」を全員に配布。内容を改訂するなど12年度比2億円増の8億円を計上しました。

高校授業料無償化は3950億円を計上し13年度は維持しましたが、14年度以降の所得制限導入を検討するため調査費1000万円を計上。自公民3党は11年に見直しで合意しています。
大学運営費交付金は12年度比574億円(5・1%)減です。04年の法人化以降毎年削減されてきました。今回の大幅減は、国家公務員給与の臨時引き下げに合わせろという野田内閣時代の不当な「要請」によるものです。私立大学への経常費補助も12年度比12億円減額されています。基盤的経費である運営費交付金の削減は大学をいっそう疲弊させるものです。
大学奨学金は貸与人員を増員してはいますが、有利子に比べ無利子の貸与が少なく、高等教育の漸進的無償化という国際人権規約の留保撤回にふさわしい前進がみられたとはいえません。無利子奨学金の財源となっているのはおもに政府貸付金と返還金です。返還金が12年度比7・6%増に対し政府貸付金は5・2%減です。
入学前に経済的見通しが持てるよう、あらかじめ申し込み、4月から奨学金を受けられる無利子の「予約採用」枠を約1万3000人増やしました。学生たちが自分たちの実態に基づいて文科省に要求してきたことが一部実現しました。
公立学校の耐震化には12年度比25億円増の603億円、復興特別会計には12年度と同額の667億円を計上しています。
13年度予算事業完了後の耐震化率は12年4月の84・8%から約94%に上がる見込みです。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年2月20日付掲載
無利子の奨学金の「予約採用枠」がわずかながら増えたことは、かねてから学生団体や民青同盟や共産党の党支部などが政府に申し入れきた事の一部が実現したことで、画期的です。
官僚側の文科省でさえ、小学中学の全学年で35人学級を保障するだけの教職員の定員増を求めていたのですが、認められませんでした。
学年ごとに定員が変わることは、学級編成などにも支障をきたすことになります。
1学年110人の場合、40人学級なら3クラス、35人学級なら4クラスになります。学年でクラス替えはあるとしても、110人が1年生から6年生まで続くわけで、学年ごとにクラス数が変わるってのは不自然ですね。