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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

苦境の中小企業 円滑化法打ち切り③ 実体経済活性化こそ

2013-02-12 20:48:56 | 経済・産業・中小企業対策など
苦境の中小企業 円滑化法打ち切り③ 実体経済活性化こそ
静岡大教授 鳥畑与一さんに聞く


金融円滑化法の打ち切り問題について静岡大学教授の鳥畑与一さんに聞きました。

―政府は3月末で円滑化法を打ち切る方針です。
円滑化法は、業績悪化した企業を、貸し出し条件の変更を通じて支えるものであり、一層の不況悪化を防ぐためにも重要です。
とくに、条件変更に応じる努力義務規定と処理体制をつくり、その処理状況の報告義務を負わせたことは、大きな効果をあげました。実際、金融機関は条件変更を断る合理的な理由を示せないので、条件変更の実行率は9割超となっています。中小零細企業の1割近くにあたる30万~40万社が利用したとされています。毎月の返済負担を軽減することで、資金繰りが行き詰まる形での倒産を大きく減らしました。
一方、「破綻するべき企業がただ延命しただけ」という主張も聞かれますが、これは一面的な見方です。そもそも、円滑化法は、「経済が健全な状態に戻るまで、いかに企業を守るか」ということが目的です。倒産は、販売不振を中心とした「不況型倒産」が大半を占めています。まずは不況の克服こそ必要であり、政府の責任です



金融庁が入る中央合同庁舎7号館=東京都千代田区

効果ない策
―安倍晋三政権は金融緩和を打ち出しています。
金融緩和の内容は、金融機関が保有する金融資産を日銀が買い入れる形で資金注入するものであり、中小企業金融の改善に効果はありません。どんなに金融機関にお金を流し込んでも、企業に流れていかない構造になっているからです。現行の金融行政は、自己資本規制に基づいた債務者区分を行い、基本的に、貸し出し条件を変更した企業を支払い能力が低下した「不良債権」とみなす監督姿勢をとっています。そのため、金融機関は経営が苦しい企業に融資しなくなっています。安倍政権は、金融緩和など効果のない政策を打ち出す一方で、公務員賃金や生活保護費の引き下げといった、国民生活の切り下げを進めようとしています。生活密着型の事業を行う中小零細企業にとっては、経営悪化につながることになりかねません。

柔軟対応を
―金融行政はどうあるべきなのでしょうか。
円滑化法の継続は重要ですが、それだけでは問題の解決になりません。不況期に条件変更した企業が経営再建計画をつくらなければ、「不良債権」扱いするという金融行政は問題です。
円滑化法は、業者が経営再建計画を策定することが基本条件になっていますが、この条件は外すべきです。これは、不況に対する有効な「治療方法」も持っていないのに、「健康になる計画をつくりなさい、計画通り健康にならなかったら病院を出て行ってください」と言っているようなものです。長引く不況の下で企業は展望を見いだせず、条件変更の継続だけで対応することも困難になっています。結果的に、破綻に追い込まれる企業が増えていくと思います。
金融行政は、支払い能力がある企業にぎりぎりまで柔軟に条件変更に応じる裁量権を、金融機関に与えるべきです。何よりも、実体経済を活性化し、中小零細企業全体を底上げする政策が必要です。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年2月9日付掲載


金融円滑化法の継続は当然ですが、それだけでは「息継ぎ」の連続にしかなりません。もっと根本策、日本の実体経済を活性化していくことが求められます。それは働く人の所得を増やし、中小下請けの単価を保障していくことが求められます。
ここ10数年間、先進国の中で日本だけがGDPが減少傾向。大企業は減収増益で乗り切れるかもしれませんが、労働者や地元の企業はたまったものじゃありません。
大企業・財界の手元にある眠った資金(内部留保)を活用することによって、経済を活性化していくことができるはずです。
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