日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

すごい平凡な感じ

2010-04-05 23:24:53 | 西荻
会社帰りに西荻駅前のスーパーでウーロン茶の
ペットボトルを買い、ビニール袋をぶら下げてタラタラ歩いて
いたのだが、ふとした瞬間に夜道に街灯に照らされる桜の木に
気がついた。桜の木は、いつも通る道を一本脇に入ったところに、
白い壁のちょっと古ぼけたマンションの脇にひっそりと
咲いている。花がなぜ美しいのかというのと、自分が美しいとも
知らずただひっそりと咲いているかだ、という詩を読んだことがあるが、
まさにそんな感じで、遠くから見ていると夜の風景に溶け込むような
美しい枝ぶりの桜だった。しかも満開。

ただボーっと見ていたのだが、そのうちにその白い壁のマンションは
実は昔西荻に住んでいた僕の友人の女性が住んでいたマンション
であることに突然気がついた。今まで彼女のことを何度も思い出して
はいたのだが、住んでいたマンションがどこかなんてすっかり
忘れていてなかばどうでもよくなっていたのだ。そういえば
あのマンションに上がりこんではよく話し込んでいたっけ。

突然懐かしい感情が込上げてきて、えもいわれぬ気分になった。
喪失感とか寂寥感とか、過去に対する距離感とかいろいろ感じた。
それで耐えられなくなって、足早にその場をさってしまった。
至極平凡な行動だが。