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日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

カンの週末(5)

2008-01-03 08:04:20 | フランス
さて、キャンパス内の小道を登っていた先にあるのは
写真の学生寮とCROUSと呼ばれる大学生協。CROUSがなんの
略だったか忘れたがフランスの国立大学にはどこにでもある
学生向けの福利厚生のためのサービス施設だ。ここに、
学食も入っている。

ふと思い出したのだが、フランスに来て間もない頃、
何も考えずにこの学食にふらっと食事にしに来たことがあった。
本来この学食はカードを買って、そのプリペイドカードで
食事を支払わないといけなかったのだが、そんなことまったく
知らず、僕は好きなだけ料理皿をプレートに乗っけて
レジに行った。案の定、レジのおばさんから
「何でプリペイドカードを持ってないんだ!こんなんじゃ通せない」
とかガミガミ言われる。そんでもってフランス語がよく分からないもんだから
なんで怒られているのかも分からない自分、という情けない状態
に陥ってしまったんだが、近くに並んでいたカン大学の男子学生が
見かねて自分のプリペイドカードを使って僕の食事を払ってくれた。
ちゃんとお礼すればよかったのだが、なんだか慌てていてろくに
僕はお礼も言えなかった。その学生の顔もほとんど覚えていなかったのだが
何ヶ月か後、学食でばったり会って「あの時はどうも」みたいな
会話をしたのを覚えている。でもやっぱりうまく感謝の気持ちを
伝えられなかったのだが。

こういう見知らぬ人に親切にする気持ちって貴重だなあ
などと思う。僕なんかフランスじゃあ
そういう親切さに大いに支えられているし。
今は彼はどこに行ったんだか分からないが、今ではもっとちゃんと
ありがとう、と言えるかもしれないのに、本当残念だ。

カンの週末(4)

2008-01-03 07:43:35 | フランス
カンがどういう街なのか説明しよう。
バースノルマンディー地域圏の一角を占める
カルバドス県(あのブランデーのカルバドス)の
県庁所在地で、同県および同地域県の
政治、経済、文化の中心地だ。都市圏も合わせると
大体30万人ぐらいの人口を抱える(そんないないかな)。
カン都市圏はエルービル・サンクレールといった
60年代の高度経済成長期に建設されたニュータウンを
抱える衛星都市から、モンドビルといった自然発生的に
できた労働者の街(この街に実はホームステイしていた)
までさまざまな街を抱える。

ノルマンディーギヨーム公にさかのぼる古い歴史を持つ
街にもかかわらず、カンは第二次大戦中の空爆で市街地が
壊滅的な被害を受け、昔の街並はあまり残っていない。
街のところどころに顔を見せる木組みの古い住居や
(コロンバージュというのだが)、街の中心に
どっかりとそびえる城跡ぐらいが往時をしのばせるぐらい。
これはノルマンディーの他の大都市にも言えることかもしれない。

かくいう僕も街を散策中、中心部に近代的なアパートと
広い駐車場がいきなり現れて愕然とした。
ちなみに上記の文章、ガイドブックとか読まないで全部
ソラで書いたんですが、結構まとまっているので自分で
自分に感心してしまったぜ。

写真はカン大学のキャンパスの中の小道。この小道を
ちょっと上ると学生寮やテニスコート、プールなんかがある。


カンの週末(3)

2008-01-02 05:24:11 | フランス
カンの大学構内の図書館。留学中にはフランス語の授業が終わった後
よく通っていた。フランス語の復習をしたり、辞書とにらめっこしながら
心理学の本などを読んだりした。日本の大学で心理学専攻だったので
フランス語でも読んでみようと思ったのだ。その頃の自分のフランス語の
レベルでは何がなんだかさっぱり分からなかったのだが
(今だってそんなに分かるわけでもないが)、図書館で没頭をして
本を読むという行為がよかったのだ。


カンの週末(2)

2008-01-01 09:47:17 | フランス
居候先のおじいさんのアパルトマンは絵に描いたような
オスマニアン建築で、カンの旧市街の中心部にある。
建物の2階から4階までを占拠して、部屋が9個ぐらいある。
そんなでかいアパルトマンにもう何年も一人で暮らしている。
毎日市立図書館へ行って本を借りては教養を深めたり、
近所のFNACに行ってやはり本を買い求めたり、そんな
文化的な生活をしているのだ。

僕がパリで放埓な生活をしている、という類の話をしたら

vous n'êtes pas vieux
mais vous n'avez plus de 25 ans.
il faut savoir.
(あなたは年寄りではないけれど、
もう25歳でもないんだからな。それを知っておかなければ)

などと説教された。本当にそうだと思う、って自分のことだよ。
写真は通っていたカン大学。