日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

箱の中の小宇宙

2010-05-03 11:37:19 | アート
連休を利用して、千葉県佐倉市の川村記念美術館の
ジョセフ・コーネル展を見に行った。なにしろ初めて行くもので
友人と迷いながら、ものすごい時間をかけて行った。
実際佐倉駅からものすごい遠かったし・・・。

いやあ、コーネル展すばらしかったです。展示ホールと
展示作品が一体となっていて、コーネルの作った箱の中の小宇宙に
鑑賞者である僕もそのまま吸い込まれていきそうな空間。薄暗い
展示空間にはいくつもの星があちこちにちりばめられていて、
一層神秘的な雰囲気をかもし出している。小箱のよこには
高橋睦朗の短い、でもつい引き込まれて読んでしまう詩が添えられている。
いやあ、アートってこれまで鑑賞者が作品を眺める、っていう
感覚が強かったんだけど、このコーネル展の作品群は作品たちが
それぞれ発光して、不思議な光を発して、見るものを別世界にいざなって
くれるみたいな感覚を覚えたなあ。よくこんなこと思いついたなあ。

常設展のロスコルームは、まるで聖堂のようでした。

あのエントランスとか、あの坂とか、あの芝生とか、
咲いていたつつじとか、アート広場のヘンリー・ムーアとか、
展示室の窓からふと見えた周りの木立とか。なんにも
構えなくても、難しいこと考えなくても、リラックスして
アートと対話できる空間だった。