く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<シラー> 欧州~中央アジアに分布する球根植物

2021年05月15日 | 花の四季

【代表種ペルビアナは星形の青花をパラソル状に】

 キジカクシ科シラー属(オオツルボ属)の秋植え球根植物。ヨーロッパから中央アジア、アフリカにかけて100種ほどが分布する。学名(属名)は「Scilla(スキラ)」で、その英語読みのシラーがそのままこの仲間の総称となっている。開花時期は3~6月ごろ。花の形は種によって星形やベル状など様々。花の色も青や紫、白、ピンクと多彩で、草丈も10~80cmとかなり幅がある。

 シラーの語源は「害を与える」を意味するギリシャ語に由来するという。地下茎が有毒なことを表しているそうだ。主な小型種にシベリカやビフォリア、ミッシェンコアナなど、中大型種にはペルビアナやナタレンシスなどがある。その中でも花壇植えや切り花として人気が高いのがペルビアナ(写真)。パラソル状の半円形の花序に直径2cmほどの6弁花をたくさん付け、外側から順に咲き上がる。花色は濃い紫色が一般的だが、最近では白花も見られるようになってきた。

 ペルビアナの学名(種小名)表記は「peruviana」で「ペルーの」を意味する。この植物の原産地は南欧~北西アフリカの地中海沿岸。南米には自生しておらず縁がないはず。ではなぜ? 実はこの学名は17世紀にこの植物をスペイン南部から英国に運んだ船の名前に因む。その船名は「The Peru」。以前、花穂に小さな釣鐘状の小花を付けるヒスパニカ種が「シラー・カンパニュラータ」と呼ばれ人気を集めた。ただ、この仲間はその後シラー属とは別のヒヤシンソイデス属(ツリガネズイセン属)に分類された。ただ今も同じ名前で出回っているようだ。

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